小学校入学から大学卒業までを、公立中心・大学は私立文系・自宅通学で 積み上げると1人あたり1,059万円(幼稚園・保育園の時期は入れていない)。 児童手当を全額これに充てると仮定すると実質825万円。手当は現行制度が 続くとした場合の234万円で、生まれ月によって234〜245万円ほど動く。

なお、このボードは総額を厳密に出すためのものではない。児童手当も授業料の 無償化も、制度が変われば前提ごと変わる。狙いは「どの時期に何が要るかを漏らさない」ほうに あるので、金額は目安として扱ってほしい。

このボードの考え方

教育費が読みにくいのは、期間の違う費目が混ざっているから。 そこで学校段階ごとに年数を掛けて、1人あたりの総額に揃えた。

  • 小・中の9年 — 学用品・教材と部活動(年額×9)、修学旅行の積立(月額×108か月)、給食費は小学校72か月・中学校36か月に分けて(制度が違うため)
  • 高校の3年 — 入学時費用、授業料(就学支援金の後)、通学定期
  • 大学の4年 — 受験料、滑り止めの入学金、入学金、(授業料+施設設備費など)×4、自宅外なら仕送り×48か月と初期費用。私立は授業料と入学金のほかに施設設備費・実験実習料などの納付金があり、初年度でも平均で30万円ほどの差になる
  • 学校の外 — 塾・予備校(月額×72か月)、習い事(月額×108か月)

構成比は大学46%・学校の外32%・小中16%・高校6%塾と習い事の合計(32%)は、高校3年間(6%)の5倍ある。 学校に払う額より、学校の外に払う額のほうが効いている。

見落としがちな費目

ただし網羅ではない。抜けはある。 読んでいて「うちだと◯◯もあるな」が浮かんだら、そっちのほうが大事。

金額は子ども1人・小学校から大学まで・公立中心の進路の一例(2026年8月時点)。 私立に進むか大学で一人暮らしをするかで数百万円単位で動き、 幼稚園から高校まですべて私立にするような進路なら倍以上になることもある。支援制度は改定が 続いているので、進学の前年に最新の要件を確認。

「無償化」の外に残る費目(公立中心・子ども1人の目安)
費目 目安 なぜ漏れるか
滑り止めの入学金(辞退して捨てるぶん) 0〜40万円 本命の発表前に、併願校の入学金納入期限が来る。押さえるために払い、進学しなくても返還されないことが多い(授業料は返還されることが多い)。ただし2026年度入試では、返還・減免・分納・納付期限の延長といった負担軽減策を設ける大学もあるので、募集要項を確認する。最も痛い見落とし。
受験料 5〜25万円 私立大学は1出願3万〜3.5万円。併願を重ねると20万円超。受験する前に出ていき、結果に関係なく戻らない。
一人暮らしの仕送り 月7〜15万円 学費と同じかそれ以上。加えて入居時の初期費用(家賃4〜6か月分)と家具家電が入学時に要る。自宅通学か下宿かは、進学先選び以上に総額を左右する。
塾・予備校 月1.5〜6万円 受験学年は講習費(夏期・冬期・直前)が別途かかり、年額では月謝の2倍近くに。学校教育費より塾のほうが高い時期がある。
部活動の費用 年2〜20万円 部によって桁が違う。ユニフォーム・道具・楽器、遠征の交通費と宿泊費、保護者会費。中学入学時点では読めないのに影響が大きい。
高校の入学時費用 5〜40万円 就学支援金の対象外。私立高校の入学金は学校差が大きく10〜30万円程度(2024年度の全国平均は約16.6万円)、制服・指定鞄・体操着で10万円前後。合格発表から納入期限までが短く、現金で要る。
給食費 小学校は0円前後/中学校は月0〜6,000円 2026年4月から国による負担軽減が始まった。公立小学校の完全給食は 月5,200円を基準に11か月ぶん支援されるので、多くの家庭で負担はほぼ消える。 ただし給食費が基準額を超える自治体では差額が残る中学校は自治体の制度しだいなので、ボードでも小学校と中学校を 別のカードに分けてある。
修学旅行・校外学習の積立 月2,000〜8,000円 数年かけて積み立てるので毎月の引き落としに紛れるが、合計では10万円規模。
学用品・教材・制服 年2〜10万円 公立でも授業料が無償なだけ。ドリル・副教材・書道や裁縫のセット・体操着・上履きは自己負担。入学年はランドセルや制服で一気に増える。
通学定期・交通費 月3,000〜20,000円 学区の外へ進学すると急に発生する。自転車通学でも駐輪場代と保険がかかる。
タブレット・PC・通信環境 0〜15万円 学校配布が基本だが、高校では自己負担で購入指定になることが多い。破損時の修理費も。
受験の交通費・宿泊費 0〜20万円 受験シーズンはホテルが埋まり高くなる。付き添う保護者ぶんも要る。
PTA会費・学級費 年3,000〜20,000円 額は小さいが、集金袋や引き落としで存在に気づきにくい。
奨学金(貸与型) — (子の借金になる) 給付型は返さなくてよいが、貸与型は子ども自身の借金として社会人生活の初めから返済が始まる。家計の穴埋めにする前に、返済の見通しを一緒に計算しておく。

「無償化」と呼ばれる制度でも、対象になる費目は制度ごとに違う。高校の就学支援金は2026年度から所得制限がなくなり、上限は公立で 年11万8,800円・私立で年45万7,200円。就学支援金が充てられるのは授業料なので、 私立の授業料がこれを超えれば差額は残る(文部科学省「高校生等への修学支援」)。 小学校の給食費のように授業料以外を支えるものもあれば、教材費などを支援する 高校生等奨学給付金(低所得世帯向け)もある。それでも教材・制服・行事・部活動・通学の 多くはそのまま残る。表が長くなるのは、支援の対象が費目ごとに分かれているから。

大きいものは上のボードに入れてある。抜けはまだあるはずなので、 「CalcAnyway で開く」から自分のぶんを足す。

現金の山は3回来る

総額より効くのがタイミング。教育費は平らに出ていくのではなく、 短い納入期限のある現金として3回まとまって来る。

  1. 高校入学 — 入学金・制服・教材。合格発表から納入まで日がない
  2. 大学受験 — 受験料と滑り止めの入学金。 本命の発表を待たずに払う必要がある
  3. 大学入学 — 入学金+前期授業料、下宿するなら賃貸の初期費用と家具家電。 ここが最大の山

児童手当を使わずに貯めていれば18年で234万円(3歳未満は月1.5万円、そのあと高校生年代まで月1万円。第3子以降は月3万円。こども家庭庁の児童手当制度の概要)になり、この3回の山にちょうど効く。 総額を貯める必要はなくて、効くのは山に間に合うかのほう。とくに大学入学時は 200〜300万円規模の現金が短期間で要る。

条件を変えるとどう動くか

  • 大学で自宅外にする — 仕送り月9万円を入れると4年で432万円増える。 それだけでは足りない。賃貸の初期費用(家賃の4〜6か月分)と家具家電、 引っ越し代も要るので、ボードには「自宅外の初期費用(1回)」のカードを置いてある。 仕送りだけなら1人あたり約1,491万円、初期費用に80万円を見込めば約1,571万円。
  • 塾に行かない — 月3万円 × 72か月=216万円が浮く。総額の2割。
  • 子どもが2人 — 単純に倍だが、実際には山が重なるか ずれるかで家計への効き方がまるで違う。人数を2にして、学年差を意識しながら見る。

次に読む出産費用。教育費の前段にあたる、生まれるまでのお金。


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