15年一緒に暮らす場合の費用を、見落としがちなものまで広めに積んだら 生涯499万円=月あたり27,722円になった。犬か猫か、犬種、飼い方で 実際の額は大きく変わるので、平均額ではなく積み上げ方の一例として見てほしい。 ただしこれは15年ならした数字で、シニア期は医療・ケアの費用が増えやすい。 後半に向けて増える形として見るほうが実態に近い。
このボードの考え方
ペットの費用は周期が4種類あって、そのままでは比べられない。 そこで「一緒に暮らす年数」を起点にして、全部を生涯の総額に揃えた。
- 迎えるとき(1回) — 生体価格、ケージ一式、初年度の医療、避妊・去勢
- 毎月 × 年数 — フード、トイレ用品、保険、トリミング
- 毎年 × 年数 — ワクチン、フィラリア予防、健康診断、通院・治療。混合ワクチンはこのボードでは年1回と仮定しているが、種類も間隔も獣医師と相談して決めるもの
- 数年ごと・最後 — 歯科処置、預け代、シニア期の追加医療、火葬・供養
この試算での内訳は毎月ぶんが47%、数年ごと・最後が25%、毎年ぶんが22%で、 迎えるときは7%。しかもこの7%は生体価格だけでなく、ケージ一式・初年度の医療・ 避妊去勢まで含めた額だ。飼う前に見ておく数字は、値札のほうではない。
見落としがちな費目
ただし網羅ではない。抜けはある。 読んでいて「うちだと◯◯もあるな」が浮かんだら、そっちのほうが大事。
金額は1匹・15年で広めに見込んだ場合の目安(2026年8月時点)。犬と猫、犬種、体格で医療費もフード代も大きく変わるので、自分の条件に置き換えて使ってほしい。
| 費目 | 目安 | なぜ漏れるか |
|---|---|---|
| シニア期の医療・介護 | 年5〜30万円 | シニア期は医療・ケアの費用が増えやすい。慢性疾患で継続的な投薬や通院が必要になることもある。介護用ハーネス、おむつ、在宅点滴。仕事を早退する回数も増える。 |
| 通院・治療費 | 年0〜10万円 | 動物医療に公的保険はなく全額自己負担。人間の感覚だと1桁違って感じる。皮膚炎や下痢のような「よくあること」でも1回5,000〜15,000円。 |
| 手術・入院 | 10〜60万円 | 誤飲の開腹、腫瘍摘出、骨折。数十万円の判断を数日で迫られる。この一撃に備えられるかが、保険に入るか貯めておくかの判断そのもの。 |
| ペット保険 | 月2,000〜8,000円 | 年齢とともに上がり、シニア期には倍以上。新規加入には年齢上限があり、持病があると入れない。入るなら若いうちに決める種類の費用。 |
| 賃貸のペット可上乗せ | 月3,000〜15,000円 | 家賃差に加えて敷金が1か月ぶん上乗せ、退去時の原状回復も重くなる。15年で見ると生体価格より大きいのに、まず数えられない。 |
| ペットホテル・シッター | 1泊5,000〜10,000円 | 旅行や帰省のたびにかかるので「旅行の費用」に現れ、ペットの費用として数えられない。帰省の多い家庭ほど効く。 |
| 歯石除去・歯科処置 | 3〜10万円程度/必要時 | 全身麻酔をかけるためこの規模になる。放置すると抜歯や内臓疾患につながることがある。 このボードでは3年に1回と仮定しているが、必要性も頻度も口腔の状態や 日頃のケアで変わるので、間隔のカードを自分の条件に変えて使ってほしい。 |
| フィラリア・ノミダニ予防 | 年1〜3万円 | 蚊のいる時期に毎月投薬するのでシーズンで5〜8回ぶん。体重で薬価が変わり、投薬前に血液検査も要る。 |
| トリミング | 月5,000〜15,000円 | 毛が伸び続ける犬種では15年で100万円を超える固定費。犬種選びの段階で効く。 |
| 避妊・去勢手術 | 2〜7万円 | メスの避妊のほうが開腹するぶん高い。自治体の助成がある地域も。術前の血液検査が別料金のことがある。 |
| 犬の登録(初回のみ) | 3,000円程度 | 法律上の義務。生涯に1回。マイクロチップ装着済みの犬猫を迎えたときは、 所有者の変更登録も要る(オンラインなら400円)。 |
| 狂犬病予防注射(毎年) | 年3,000〜4,000円 | 注射と注射済票の交付で毎年かかる。法律上の義務なので選択の余地がない。 |
| 家具・建具の修繕 | 0〜20万円 | 壁紙、網戸、フローリングの傷、噛まれたコード。賃貸なら退去時にまとめて請求される。 |
| 火葬・供養 | 1.5〜8万円 | 個別火葬か合同か、立ち会うかで変わる。最期に落ち着いて選べるよう、相場だけでも先に知っておく価値がある。 |
保険に入るかどうかは、ここでは決めない。大きな判断材料のひとつは 「数十万円の手術を、数日で決断できるか」だと思う。ただし保険料だけでなく、 補償の割合や範囲、年間・1日あたりの限度額、対象外の条件まで見ないと比べられない。 新規加入に年齢の上限がある商品が多く、高齢になるほど選択肢は減る (上限のない商品もあるが、健康状態によっては入れなかったり条件が付いたりする)。
大きいものは上のボードに入れてある。抜けはまだあるはずなので、 「CalcAnyway で開く」から自分のぶんを足す。
条件を変えるとどう動くか
- トリミングが要る犬種にする — 月1万円を入れると生涯で 180万円増える。犬種選びで最も効く1項目。ボードの トリミング(月)を10000 に。
- 保険に入らない — 月4,000円 × 15年=72万円が浮く。ただし 手術1回で数十万円が飛ぶので、浮いたぶんを別に貯めておく前提で 初めて成立する。
- 年数を延ばす — 長生きは嬉しいが、費用としては 毎月ぶん・毎年ぶんがそのぶん伸びる。20年にすると約640万円。
次に読む — 車の維持費。周期の違う費目を年あたりに均す形が同じ。