活用例 · 学習 · 2026-09-26 更新

往復の平均速度 — 総距離と総時間から求める

行きと帰りで速さが違うときの、往復の平均速度を求めます。 平均速度は、総距離 ÷ 総時間 で出します。 たとえば片道 60km を、行きは 60km/h、帰りは 30km/h で走るとします。 行きは 1時間、帰りは 2時間かかるので、120km を 3時間で進みます。 平均速度は 40km/h で、2つの速さを平均した 45km/h にはなりません。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、片道の距離と、行き・帰りの速さです。 右の列は上から、総距離・平均速度・総時間です。 平均速度のカードは、上の総距離を下の総時間で割っています。

いちばん下の「速度だけの平均」は、比べるための値です。2つの速さを足して 2 で割っています。 数字を変えると、右の4枚も連動して変わります。

平均速度は、総距離 ÷ 総時間

速さは、進んだ距離をかかった時間で割った数です。単位で見ると、km ÷ 時間 = km/h です。 往復の平均速度も同じ割り算で、往復の距離を、往復にかかった時間で割ります。

この例では、総距離は 60 × 2 = 120km、総時間は 3時間です。 120 ÷ 3 で、平均速度は 40km/h になります。 40km/h は、往復をずっと同じ速さで走ったとしたら、同じ 3時間で戻ってこられる速さです。

一方、「速度だけの平均」は (60 + 30) ÷ 2 = 45km/h です。 この式には、それぞれの速さで何時間走ったかが入っていません。 そのため、45km/h は往復の平均速度にはなりません。

遅い帰りに、2倍の時間がかかる

2つの速さを同じ扱いで平均できない理由は、行きと帰りの時間を比べると分かります。 ボード2は、総時間を行きと帰りに分けたものです。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、ボード1と同じ3つの入力です。右の2枚が、行きの時間と帰りの時間です。

  • 行き(60km/h)— 60 ÷ 60 = 1時間
  • 帰り(30km/h)— 60 ÷ 30 = 2時間

距離は同じ 60km でも、遅い帰りには 2倍の時間がかかります。 往復の 3時間のうち、2時間は 30km/h で走っています。 そのため平均速度は、45km/h よりも遅い 30km/h の側に寄ります。

2つを合わせた 1 + 2 = 3時間が、ボード1の総時間です。 ボード1の総時間のカードは、この2つの割り算を1つの式にまとめたものです。

同じ時間ずつなら、2つの速さの平均になる

2つの速さをそのまま平均した値が平均速度と一致するのは、同じ時間ずつ走ったときです。 ボード3は、前半と後半のそれぞれについて、走った時間と速さを入れるボードです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、前半と後半の時間と速さです。 右上の総距離は、時間 × 速さ を前半と後半で合計しています。 右下の総時間は、2つの時間の合計です。 まん中の平均速度は、ボード1と同じく 総距離 ÷ 総時間 です。

初期値では、60km/h で 1時間、30km/h で 1時間走ります。 総距離は 60 + 30 = 90km、総時間は 2時間で、平均速度は 45km/h です。 ボード1の「速度だけの平均」と同じ値です。 同じ時間ずつ走るなら、2つの速さを足して 2 で割ると平均速度になります。

後半の時間を 2 にすると、総距離は 60 + 60 = 120km、総時間は 3時間で、平均速度は 40km/h になります。 往復の例と同じ数字です。30km/h で 2時間走ると、ちょうど片道の 60km を進むからです。

つまり往復の 40km/h は、60km/h を 1時間ぶん、30km/h を 2時間ぶん数えて平均した値です。 式にすると (60 × 1 + 30 × 2) ÷ 3 = 40 です。 このように、それぞれの数の多さ(ここでは時間の長さ)を重みにして出す平均を「加重平均」といいます。

同じ距離ずつなら、調和平均

往復のように同じ距離ずつ走るときは、平均速度を 2 × 行きの速さ × 帰りの速さ ÷(行きの速さ + 帰りの速さ) でも出せます。この形の平均は「調和平均」と呼ばれます。 60 と 30 なら、2 × 60 × 30 ÷ 90 = 40 です。

この式には、片道の距離が入っていません。 総距離も総時間も片道の距離に比例するので、割り算をすると距離が消えるからです。 そのため、片道の距離を変えても、平均速度は変わりません。

数字を変えて確かめる

ボード1で、片道 60km のまま、行きと帰りの速さを変えた結果です。

片道60kmの往復(ボード1で実測、小数第3位を四捨五入)
行き 帰り 総時間 平均速度 速度だけの平均
60km/h60km/h2時間60km/h60km/h
60km/h30km/h3時間40km/h45km/h
30km/h60km/h3時間40km/h45km/h
60km/h20km/h4時間30km/h40km/h
60km/h10km/h7時間約17.14km/h35km/h
100km/h50km/h1.8時間約66.67km/h75km/h

行きと帰りが同じ速さなら、2つの値は一致します。 速さの差が大きいほど、平均速度は遅いほうへ寄ります。 行きと帰りを入れ替えても、それぞれの速さで進む距離は同じなので、平均速度は 40km/h のまま変わりません。

帰りが 10km/h の例では、帰りだけで 6時間かかります(ボード2で実測)。 往復 7時間のうち 6時間を 10km/h で走るので、平均速度は約17.14km/h まで下がります。

片道の距離を 100km にすると、行き 60km/h・帰り 30km/h で、総距離は 200km、総時間は 5時間です。 平均速度は、60km のときと同じ 40km/h になります。

行きを 30km/h にすると、行きだけで 2時間かかります。 このとき、帰りをどれだけ速くしても、往復の平均速度は 60km/h に届きません。 120km を平均 60km/h で走るには往復で 2時間しか使えず、その 2時間を行きで使い切っているからです。 ボード1で帰りを 300km/h にすると約54.55km/h、入力の上限の 1000km/h にしても約58.25km/h です。

ボード3で前半の時間を 2、後半の時間を 1 にすると、60km/h で 2時間、30km/h で 1時間になります。 総距離は 150km、総時間は 3時間で、平均速度は 50km/h です。 長く走ったほうの 60km/h に寄ります。

この計算で分かること、分からないこと

ボードは、行きと帰りをそれぞれ一定の速さで走ったとして計算しています。 実際には、信号や渋滞で速さは変わり続けます。 それでも、総距離と総時間が分かれば、平均速度は同じ 総距離 ÷ 総時間 で出せます。 途中で速さがどう変わったかは、平均速度の計算には入りません。

休憩の時間を総時間に入れるかどうかで、平均速度は変わります。 ボード3で、前半を 60km/h で 1時間、後半を速さ 0 で 0.5時間にすると、30分休憩した場合になります。 総距離は 60km、総時間は 1.5時間で、平均速度は 40km/h です。 走っているあいだの速さは 60km/h のままです。 どちらの数字が必要かは、その数字を何に使うかによります。

次に読む — 濃度の計算 — 濃度・うすめる・混ぜる 2つの食塩水を混ぜた濃度を、食塩と全体の重さをそれぞれ合計して求め、同じ重さずつ混ぜたときだけ2つの濃度の平均になることも確かめています。


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