活用例 · お金 · 2026-09-26 更新

年平均成長率(CAGR)の計算 — 最初と最後の値から年率を求める

最初の値・最後の値・年数から、毎年同じ率で増えたとみなしたときの年率を求めます。 この率を、年平均成長率(CAGR)といいます。 たとえば 100 が 5年で 150 になったなら、年平均成長率は 約8.45% です。 全体の増加率 50% を 5 で割った 10% とは、違う値になります。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、最初の値・最後の値・年数です。 右の列は、上から「全体の増加率」「増加率 ÷ 年数」「年平均成長率」です。 全体の増加率は、最初から最後までで何%増えたかです。「増加率 ÷ 年数」は、それを年数で割った値です。 いちばん下の年平均成長率が、このページで求める率です。 左の数字を変えると、右の3枚が連動して変わります。

売上、利用者数、人口、生産量など、2つの時点の値があれば、何の数でも計算は同じです。 この例では 100 → 150 で考えます。

50% を 5年で割った 10% は、毎年同じ量を加える考え方

100 が 150 になると、増えたのは 50 で、最初の 100 の 50% です。 ボード1の「全体の増加率」も 50% です。 これを 5年で割ると、ボード1の「増加率 ÷ 年数」の 10% になります。

けれどこの 10% は、毎年「最初の 100 の 10%」、つまり毎年 10 ずつ加える考え方です。 10 × 5 = 50 で、ちょうど 150 になります。 前の年に増えた分は、次の年の計算に入っていません。

毎年 10% ずつ増えると、5年後は 161.051

「毎年 10% 増えた」というときは、ふつう、前の年の値に 10% を掛けていきます。 ボード2では、この計算を1年ずつ確かめられます。

ボード2

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左のカード「毎年10%」は、初期値の 100 に、変化率の 10% を「回数」の分だけくり返し掛けます。 右のカードは、あとで出てくる率で、同じ計算をしています。 左のカードの回数を 1 から 5 まで変えると、次のようになります。

  • 1年目 — 110
  • 2年目 — 121
  • 3年目 — 133.1
  • 4年目 — 146.41
  • 5年目 — 161.051

毎年 10% ずつ増えると、5年後は 150 ではなく 161.051 になります。 増えた分にも、次の年の 10% が掛かるからです。 そのため、ちょうど 150 になる年率は、10% より小さくなります。

150 になる年率を逆算する

毎年同じ率 r で増えて、5年で 150 になったとします。式にすると、次のようになります。

100 ×(1 + r)5 = 150

(1 + r)を 5回掛けると、1.5倍になるということです。 そのような数を求める式は、次のようになります。

r =(150 ÷ 100)1/5 − 1

「1/5」は、5回掛けると 1.5 になる数(1.5 の5乗根)を表します。 1.5 の5乗根は約 1.0845 なので、r は約 0.0845、つまり約8.45%です。

最初・最後・年数の形で書くと、次のようになります。

年平均成長率(%)={(最後 ÷ 最初)1 ÷ 年数 − 1}× 100

ボード1の「年平均成長率」は、この式で計算しています。この例では 8.447177% です。

8.45% で 5年増やすと、150 に戻る

求めた率が合っているかは、その率で最初の値を増やしてみると確かめられます。 ボード3は、年平均成長率を出して、その率で年数の分だけ増やすボードです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

右上は、ボード1と同じ式で出した年平均成長率です。 右下の「この率で年数ぶん増やすと」は、最初の 100 に、この率を 5回掛けたものです。 結果は 150 で、最後の値と同じになります。

1年ずつ見るときは、ボード2の右のカード「毎年8.447177%」を使います。 回数を 1 から 5 まで変えると、次のようになります。

  • 1年目 — 108.447177
  • 2年目 — 117.607902
  • 3年目 — 127.54245
  • 4年目 — 138.316186
  • 5年目 — 149.999999

最後が 149.999999 になるのは、カードの率を小数第6位までで入れているためです。ほぼ 150 になります。 毎年 10% の左のカードは 161.051 なので、2つの率の違いが、5年で約11 の差になっています。

年平均成長率は、毎年の実績の平均ではない

年平均成長率は、毎年この率で増えたとしたら同じ最後の値になる、一定の率です。 実際に毎年 8.45% ずつ増えた、という意味ではありません。

たとえば 100 → 130 → 110 → 140 → 120 → 150 のように、途中で上がったり下がったりすることもあります。 最初が 100、最後が 150、期間が 5年なら、年平均成長率は同じ約8.45% です。 途中の動きは、この数字には表れません。

年平均成長率は、英語の Compound Annual Growth Rate の頭文字をとって、CAGR とも呼ばれます。 Compound は、複利のように、増えた分にも次の率が掛かることを表しています。

数字を変えて確かめる

ボード1で、最初・最後・年数を変えたときです。 右端の列は、同じ数をボード3に入れたときの「この率で年数ぶん増やすと」の値です。

増加率 ÷ 年数と年平均成長率(ボード1とボード3で実測)
最初 最後 年数 全体の増加率 増加率 ÷ 年数 年平均成長率 この率で年数ぶん増やすと
1001505年50%10%8.447177%150
10015010年50%5%4.137974%150
10020010年100%10%7.177346%200
1001203年20%6.666667%6.265857%120
2003005年50%10%8.447177%300
1501005年−33.333333%−6.666667%−7.789209%100

100 → 150(5年)と 100 → 200(10年)は、「増加率 ÷ 年数」がどちらも 10% です。 けれど年平均成長率は、約8.45% と約7.18% で違います。 「増加率 ÷ 年数」が同じ 10% でも、毎年掛けていく率は同じになりません。 この2つでは、年数の長い 10年のほうが、10% との差が大きくなっています。

同じ 100 → 150 でも、10年かかった場合は 4.137974% です。 5年のときの 8.447177% の半分より、少し小さい値になります。

200 → 300 は、100 → 150 と同じ 8.447177% です。どちらも 1.5倍だからです。 倍率と年数が同じなら、最初の値が 100 でも 200 でも、年平均成長率は同じになります。

150 → 100 のように減った場合は、年平均成長率はマイナスになり、−7.789209% です。 「増加率 ÷ 年数」の −6.666667% より、マイナスの幅が大きくなります。 減っていく値に率を掛けるので、同じだけ減るには、毎年の率を大きくする必要があるからです。 どの組み合わせでも、ボード3の右下は最後の値に戻ります。

この計算で分かること、分からないこと

年平均成長率は、最初と最後の2つの値だけから出す率です。 途中で大きく下がった年があっても、この数字には表れません。 途中の動きを見るには、1年ごとの増減率を並べて比べることになります。

最初の値が 0 のときは、0 で割ることになるので、この式では求められません。 ボード1で最初を 0 にすると、カードには計算できないことを示す表示が出ます。 利益のように、マイナスになることがある数にも、この式はそのままでは使えません。

過去の年平均成長率は、これまでの増え方を1つの率にまとめたものです。 これから先も同じ率で増えることを表すものではありません。

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