活用例 · 学習 · 2026-09-26 更新

デシベルの足し算 — 複数の音を合わせた大きさを求める

複数の音を同時に鳴らしたときの大きさを、デシベル(dB)で求めます。 デシベルの数どうしは、そのまま足しません。 音のエネルギーに戻して合計し、それをデシベルに戻します。 この例では、60dB の音を2つ合わせると 約63dB です。120dB にはなりません。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、2つの音の大きさです。 中央の列は、それぞれの音のエネルギーが、0dB の音の何倍かを表しています。 右下の「合計」は、2つのエネルギーを合計した値です。 右上の「合わせた大きさ」は、その合計をデシベルに戻した値で、この例では 63.01dB です。

音A・音B の数字を変えると、中央と右の値も連動して変わります。

デシベルは、エネルギーの桁を表す目盛り

デシベルは、音のエネルギー(音の強さ)を、基準の大きさと比べて表す数です。 10dB 大きいと、エネルギーは 10倍になります。 20dB 大きいと 100倍、30dB 大きいと 1,000倍です。 デシベルの数が 10 増えるごとに、エネルギーの桁が1つ増えます。

ボード1の中央のカードは、この関係を式にしたものです。

0dB の何倍か = 10^(デシベル ÷ 10)

60dB なら 10 の 6乗で、1,000,000倍(100万倍)です。 0dB は、音がないという意味ではありません。比べるときの基準にしている大きさです。

長さなら、3cm と 4cm をつなぐと 7cm です。 デシベルは桁を数えた目盛りなので、目盛りの数どうしを足しても、合わせた大きさにはなりません。 60 + 60 = 120dB は、エネルギーでは 10 の 12乗で、100万倍のさらに 100万倍にあたります。 実際には、同じ音が2つになって、エネルギーが 2倍になっただけです。

エネルギーに戻して合計し、デシベルに戻す

合わせた大きさは、次の式で求めます。

合わせた大きさ(dB)= 10 × log(10^(音A ÷ 10)+ 10^(音B ÷ 10))

log は、「10 を何乗すると、その数になるか」を表します。 式は長く見えますが、していることは3つです。ボード1の3つの列が、それぞれにあたります。

  1. エネルギーに戻す — 60dB は 0dB の 1,000,000倍です。音B も同じです
  2. 合計する — 1,000,000 + 1,000,000 = 2,000,000倍
  3. デシベルに戻す — 2,000,000 は 10 の約 6.301乗なので、10倍して 63.01dB です

合計しているのは2番目だけで、1番目と3番目は、目盛りを変えているだけです。 音が3つ以上あっても同じで、それぞれのエネルギーをすべて合計してから、デシベルに戻します。

同じ大きさの音を2つにすると、約3dB 増える

60dB の音を2つにすると 63.01dB で、3.01dB 増えました。 70dB どうしなら 73.01dB、80dB どうしなら 83.01dB です。 もとの大きさが何dB でも、同じ音を2つにすると 3.01dB 増えます。

同じ音が2つになると、エネルギーはちょうど 2倍です。 2倍をデシベルで表すと 10 × log 2 で、約 3.01 になります。 もとの大きさによらず、2倍はいつも同じ幅になります。

同じ大きさの音が何個もあるときは、1つの音の大きさに 10 × log(個数)を加えれば求められます。 ボード2はこの計算です。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

上の段で個数を入れると、右に「増える大きさ」が出ます。 中央の段の「合わせた大きさ」は、1つの音にその分を加えた値です。 この例では、60dB の音が2個で 63.01dB です。

個数を変えると、次のようになります。

  • 2個 — 3.01dB 増えて、63.01dB
  • 3個 — 4.77dB 増えて、64.77dB
  • 4個 — 6.02dB 増えて、66.02dB
  • 10個 — 10.00dB 増えて、70.00dB
  • 100個 — 20.00dB 増えて、80.00dB

10個で 10dB、100個で 20dB 増えます。 個数が 10倍になるごとに、10dB ずつ増えます。 2個で 3dB 増えるのに、10dB 増やすには 2個ではなく 10個が必要です。

下の段は反対向きの計算で、めざす大きさに届くには、同じ音が何個必要かを出します。 式は 10^((めざす大きさ − 1つの音)÷ 10)です。 1つの音が 60dB で、めざす大きさが 70dB なら 10個、80dB なら 100個、90dB なら 1,000個です。

めざす大きさを 57dB にすると、0.501187個と出ます。 3dB 小さい音は、エネルギーがほぼ半分ということです。 ボード1で音A を 57dB にすると、0dB の 501,187倍で、60dB の 1,000,000倍のほぼ半分です。

大きさがちがう音を合わせると

ボード1で、音A を 60dB のまま、音B を大きくしていくと、次のようになります。

音A 60dB と合わせたとき(ボード1で実測)
音B 合わせた大きさ 音B からの増え方
60dB63.01dB+3.01dB
63dB64.76dB+1.76dB
70dB70.41dB+0.41dB
80dB80.04dB+0.04dB
100dB100.00dB小数第2位までは変わらない

2つの差が大きくなるほど、合わせた大きさは、大きいほうの音に近づきます。 10dB ちがうと、増えるのは 0.41dB です。 20dB ちがうと、0.04dB しか増えません。

理由は、エネルギーで比べると分かります。 音B が 80dB のとき、ボード1の中央は、音A が 1,000,000倍、音B が 100,000,000倍です。 音B のエネルギーは音A の 100倍なので、合計の 101,000,000倍は、音B だけのときより 1% 多いだけです。 音B が 100dB なら、合計は 10,001,000,000倍で、増えたのは 1万分の1です。

3つの音を合わせる — いちばん大きい音で、ほぼ決まる

音が3つでも、エネルギーをすべて合計します。 ボード3は、70dB・65dB・60dB の3つの音を合わせた大きさと、1つを止めたときの大きさを並べたものです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列が3つの音の大きさです。 右の列の中央が3つを合わせた大きさで、この例では 71.51dB です。 上は、いちばん小さい音C を止めて、A と B だけにした場合です。 下は、いちばん大きい音A を止めて、B と C だけにした場合です。

音C を止めると 71.19dB で、下がるのは 0.32dB です。 音A を止めると 66.19dB で、5.32dB 下がります。 3つを合わせた大きさは、いちばん大きい音でほぼ決まっています。 どの音を止めると、合わせた大きさがどれだけ下がるかは、このように1つずつ比べられます。

数字を変えて確かめる

ボード1で、音A と音B を同じ大きさにしたときです。

  • 40dB と 40dB — 43.01dB
  • 50dB と 50dB — 53.01dB
  • 70dB と 70dB — 73.01dB
  • 80dB と 80dB — 83.01dB

どれも 3.01dB 増えています。中央のカードは、どれも2つが同じ値で、合計はその 2倍です。

音A と音B を両方 0dB にすると、合わせた大きさは 3.01dB です。 0dB は基準の大きさなので、2つ合わせると、ほかの場合と同じように 3.01dB 増えます。 音A を 0dB、音B を 60dB にすると、合計は 1,000,001倍で、合わせた大きさは 60.00dB のままです。

ボード3で3つの音をすべて 60dB にすると、64.77dB です。 ボード2で 60dB の音を3個にしたときと同じ値です。 音C を 60dB から 40dB に下げると、3つ合わせた大きさは 71.20dB で、A と B だけの 71.19dB とほとんど変わりません。 音A を 80dB に上げると、3つ合わせて 80.18dB、A と B だけで 80.14dB です。

この計算で分かること、分からないこと

この計算が扱っているのは、音のエネルギーです。人が感じるうるささとは同じではありません。 エネルギーが 2倍(約 +3dB)になっても、2倍うるさくは聞こえません。 目安として、10dB 大きくなると、およそ 2倍の大きさに聞こえると説明されることがあります。 ただし、感じ方は人によっても、音の高さによっても変わります。

この足し方は、2つの音がたがいに関係のない音であることを前提にしています。 ちがう機械の音や、ちがう人の声がこれにあたります。 1つの音源から同じ音を2台のスピーカーで出すような場合は、波が強め合う場所と弱め合う場所ができるので、この式のとおりにはなりません。

騒音計の値の多くは、人の耳の感じ方に合わせて、音の高さごとに補正した値です(A特性)。 関係のない音どうしなら、補正したあとの値でも、同じ足し方で合わせた大きさを求められます。 また、ボードの値は、音を聞く場所での大きさです。 音源から離れると小さくなることは、この計算には入っていません。

次に読む — マグニチュードとエネルギー — 差からエネルギーの倍率を求める マグニチュードの差から、地震のエネルギーが何倍になるかを求めます。


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