左の4枚は、10議席を得票率どおりに分けた数です。 A党は 42% なので 4.2、B党は 30% なので 3 になっています。 右の「議席」は4枚の合計で、10 に固定されています(鍵の印)。
「議席」カードの ⋯ から「整数のまま分ける」を押すと、合計 10 のまま、4枚とも整数になります。 もう一度 ⋯ を開くと「ドント方式で分ける」があり、押すと配分が変わります。 「最大剰余法に戻す」を押すと、元の配分に戻ります。 ボードは整数にする前の 4.2・3・1.6・1.2 を覚えていて、切り替えるたびにそこから配り直しています。
割合どおりでは、議席の数にならない
この例では、議席は10、党は4つです。得票率と、割合どおりの議席は次のとおりです。
| 党 | 得票率 | 割合どおりの議席 |
|---|---|---|
| A党 | 42% | 4.2 |
| B党 | 30% | 3 |
| C党 | 16% | 1.6 |
| D党 | 12% | 1.2 |
| 合計 | 100% | 10 |
合計はちょうど 10 です。けれど、4.2議席という議席はありません。 ちょうど整数になっているのは B党の 3 だけで、ほかの3つには端数があります。
端数を切り捨てると、4 + 3 + 1 + 1 = 9議席で、1議席が残ります。 この1議席をどの党に配るかを決めるのが、議席配分の決まりです。 決まりは1つではなく、ここでは最大剰余法とドント方式の2つを比べます。
最大剰余法 — 端数の大きい順に配る
ボード1で「整数のまま分ける」を押すと、A 4・B 3・C 2・D 1 になります。 残った1議席は、端数がいちばん大きい C党(0.6)に配られています。
| 党 | 割合どおり | 切り捨て | 端数 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| A党 | 4.2 | 4 | 0.2 | 4 |
| B党 | 3 | 3 | 0 | 3 |
| C党 | 1.6 | 1 | 0.6 | 2 |
| D党 | 1.2 | 1 | 0.2 | 1 |
| 合計 | 10 | 9 | 残り1議席 | 10 |
この決め方を最大剰余法といいます。 「剰余」は余りのことで、ここでは切り捨てた端数を指します。 切り捨てたあと、残った議席を端数の大きい順に1つずつ配ります。
最大剰余法では、どの党の議席も、割合どおりの数を切り捨てた数か、それに 1 を加えた数になります。 そのため、割合どおりの数からのずれは、どの党も1議席より小さくなります。
ドント方式 — 得票を 1、2、3… で割り、大きい商から取る
同じボードで ⋯ を開き、「ドント方式で分ける」を押すと、A 5・B 3・C 1・D 1 になります。 最大剰余法と比べると、同じ得票なのに、C党が1議席少なく、A党が1議席多くなっています。
ドント方式は、端数を使いません。 各党の得票を 1、2、3… で順に割り、出てきた商を大きい順に10個数えます。 その10個の中に自分の党の商がいくつ入っているかが、その党の議席の数です。
ここでは、得票の合計を10万票として、A党 42,000票・B党 30,000票・C党 16,000票・D党 12,000票とします。 得票率は、ボード1と同じ 42%・30%・16%・12% です。
| 割る数 | A党 | B党 | C党 | D党 |
|---|---|---|---|---|
| ÷1 | 42,000 ① | 30,000 ② | 16,000 ④ | 12,000 ⑦ |
| ÷2 | 21,000 ③ | 15,000 ⑤ | 8,000 | 6,000 |
| ÷3 | 14,000 ⑥ | 10,000 ⑨ | 約5,333 | 4,000 |
| ÷4 | 10,500 ⑧ | 7,500 | 4,000 | 3,000 |
| ÷5 | 8,400 ⑩ | 6,000 | 3,200 | 2,400 |
| 議席 | 5 | 3 | 1 | 1 |
10番目は、A党の得票を 5 で割った 8,400 です。 11番目は、C党の得票を 2 で割った 8,000 です。 C党は、2議席目にわずかに届きませんでした。 最大剰余法ではこの議席を C党が取っていたので、2つの決め方は、この1議席で結果が分かれています。
この例で A党に5議席目が届いた理由も、この表から分かります。 A党は、42,000 を 5 で割っても、まだ 8,400 あります。 C党の 16,000 を 2 で割った 8,000 より、わずかに大きい値です。
区切りの票数で見ると — 合計が10になるまで下げる
ドント方式は、別の見方でも説明できます。 「1議席あたりの票数」を1つ決めて、各党の得票をその数で割り、端数を切り捨てます。 その合計がちょうど10議席になるように、1議席あたりの票数を調整するやり方です。 ボード2は、この計算をするボードです。