活用例 · お金 · 2026-09-26 更新

葬儀費用の計算例 — 葬儀とその後にかかる費用を合計

葬儀の費用を、式そのもの、宗教者へのお礼、会葬者の人数によって変わる費用、葬儀のあとに続く費用に分けて試算します。 下のボードは一例で、この例(会葬者30名)では、出ていく合計が 259万円、香典と葬祭費を引いた差し引きの負担は 224万円です。 費目や金額は、お手元の見積書や地域の事情に合わせて置き換えて使えます。

ボード1

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、見積書や請求書から拾う数字です。中央の列は、それを上から1行ずつ加えていった合計です。 右の列には、会葬者数と香典を置いています。左と右の数字を変えると、中央の合計も連動して変わります。

この例(会葬者30名)では、出ていく合計が 259万円、香典 30万円と葬祭費・埋葬料 5万円を引いた 差し引きの負担が 224万円 になります。平均額ではなく、仏式で、新しく納骨先を用意し、 葬儀のあとの片付けまで含めた一例です。 地域・宗派・お墓の有無によって大きく変わり、とくに納骨とお墓は100万円単位で変わることがあります。

搬送の依頼は亡くなった当日に、式の内容は翌日ごろまでに決めることが多くあります。 費用を比べて検討できるのは、多くの場合、それより前の時期に限られます。このページでは、そうした費目をあらかじめ並べています。

このボードの考え方

「葬儀一式◯万円」というプラン価格だけでは、全体の費用が見えにくいことがあります。 費用の支払先が、いくつかに分かれているためです。ボードでは、次の順に合計しています。

  1. 人数ぶん — 1人あたりの費用 × 会葬者数です。 この例の1人あたりは、通夜振る舞いと精進落とし 5,000円・返礼品と会葬御礼 2,000円で 7,000円。 30名で 21万円です
  2. 葬儀式 — 搬送・安置 9万円・棺と骨壺と遺影 18万円・式場と祭壇と装花 45万円・ 火葬料と霊柩車 13万円で 85万円です。この例では飲食と返礼品も葬儀社に頼む形にしていて、 ここまでの 106万円が葬儀社への支払いになります
  3. 宗教者へ — お布施(読経)25万円・戒名や法名へのお布施 30万円・お車代と御膳料 3万円で 58万円です。 葬儀社の見積書には含まれない費用です。これを加えると、葬儀の費用は 164万円です
  4. あとに続く — 四十九日などの法要 10万円・納骨とお墓 50万円・遺品整理と片付け 20万円で 80万円です (ボード3)。葬儀のあとまでの合計は 244万円です
  5. 香典返し — 香典(この例では1人 10,000円 × 30名 = 30万円)の半分を、四十九日のあとにお返しする形にしています。 15万円で、出ていく合計は 259万円です

最後に、香典 30万円と葬祭費・埋葬料 5万円、合わせて 35万円を引いたものが差し引きの負担です。

この例では、葬儀式の 85万円は、出ていく合計 259万円のおよそ3分の1です。 残りは、宗教者へのお礼、人数ぶん、葬儀のあとに続く費用、香典返しです。 ここでの合計は納骨や片付けまで含めた額なので、葬儀社の見積書とは範囲が異なります。

会葬者の人数によって変わるところ

会葬者が1人増えると、出ていくお金と、受け取る香典の両方が変わります。 ボード2では、それを1人ぶんで見ています。

ボード2

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

1人あたりの飲食と返礼品 7,000円に、香典返し 5,000円(香典 10,000円の半分)が加わって、 出ていくお金は1人 12,000円。そこから香典 10,000円を引くと、 差し引きの負担は1人あたり 2,000円 です。

ボード1で会葬者数を 30 から 10 にすると、出ていく合計は 259万円から 235万円へ、24万円下がります。 一方で香典も 20万円減るので、差し引きの負担は 224万円から 220万円へ、4万円の差にとどまります。

このボードでは、式場や祭壇の費用を、人数によって変わらない額として扱っています。 家族葬で式場を小さくする場合は、「葬儀式」の金額も合わせて変えられます。 香典を辞退する場合は、「香典(1人)」を 0 にすると、その場合の金額を確かめられます。

支払いの時期と、相続税での扱い

金融機関が名義人の死亡を知ると、相続の手続きが終わるまで、口座の入出金は原則として制限されます。 そのため、当座の支払いは、遺族の手元のお金から出すことが多くなります。

仮払いの制度もあります。預金額 × 1/3 × 自分の法定相続分までは、家庭裁判所を通さずに引き出せます。 ただし、金融機関ごとに150万円が上限で、戸籍一式をそろえる手間がかかります (民法909条の2。制度の説明は法務省の相続法改正のページにあります)。

相続税を計算するときは、火葬・埋葬・納骨、遺体の搬送、通夜、寺院への読経料などを、 葬式費用として遺産の総額から差し引ける場合があります。 一方で、香典返し、墓石や墓地の購入、初七日などの法要は対象外です。 このボードでいうと、差し引けるのは主に「葬儀式」と「宗教者へ」で、「あとに続く」の多くは対象になりません。

金額の大きさとは別に、誰がいつ立て替えるかという問題もあります。

この試算に追加できる費目

葬儀のあとに続く費用は、ボード3にまとめています。 この例では、四十九日などの法要 10万円、納骨・お墓 50万円、遺品整理・片付け 20万円で、合わせて 80万円です。

ボード3

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

ほかの費目を追加するときは、「CalcAnyway で開く」から開いて、カードを1枚増やし、金額を入れます。 そのカードを「あとに続く」の式に加えると、合計に入ります。 その合計をボード1の「あとに続く」に入れれば、出ていく合計と差し引きの負担まで反映されます。

下の表は、この試算に追加できる費目の例です。網羅ではありません。 ご自身の状況に合わせて、必要な費目を追加できます。 金額は会葬者30名・仏式・新しく納骨先を用意する場合の目安(2026年8月時点)で、 地域や宗派によって大きく違います。 家族葬や直葬なら、式まわりの費用は下がります。ただ、火葬料のように人数に左右されにくい費用や、 納骨・遺品整理のように葬儀の規模とは別にかかる費用もあります。

「葬儀一式」に入っていないことが多い費目(会葬者30名の目安)
費目 目安 メモ
お布施(読経) 15〜50万円 葬儀社の見積書には載りません。金額が示されないことが多く、菩提寺に直接たずねるか、葬儀社に地域の目安を聞く形になります。通夜・葬儀・初七日でひとまとまりです。
戒名・法名へのお布施 10〜100万円 位(信士・居士・院号など)で大きく変わります。宗派によって呼び方も考え方も違い(浄土真宗では「法名」)、決まった料金ではなく、お布施として扱われることもあります。幅が大きく、総額を大きく左右することがある費目です。
納骨・お墓 10〜200万円 葬儀本体より高くなることもある費目です。合祀型の永代供養なら10万円台からある一方、樹木葬はプランの幅が大きく、鎌倉新書の第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)では平均71.7万円でした(納骨堂 81.5万円、一般墓 152.0万円)。すでにお墓がある場合も、納骨の費用と彫刻料、年間の管理料がかかります。
火葬料 0〜10万円 自治体によって、無料から数万円まで差があります。住民でない場合は数倍になることがあります。「葬儀一式」に含まれないことが多い費目です。
搬送・安置とドライアイス 4〜16万円 病院からは数時間のうちに移動を求められるため、比べる時間がないまま、最初に連絡した業者に頼むことが多くなります。火葬場が混んでいると安置の日数が延び、そのぶん費用も増えます。
通夜振る舞い・精進落とし 1人 3,000〜8,000円 会葬者数が読めないうちに人数を決めるので、余ったり足りなかったりしやすい費目です。
返礼品・会葬御礼 1人 1,000〜3,000円 参列へのお礼で、香典へのお返しである香典返しとは別のものです。香典返しを当日渡す「即日返し」にする場合は、後日のぶんと重なります。ボードの「香典返しの割合」を下げると、その場合の金額を確かめられます。
香典返し(後日) 香典の3分の1〜半額 四十九日のあとに送ります。香典の半分近くが、返礼品として後から出ていきます。
四十九日・一周忌などの法要 1回 5〜20万円 お布施、会場、会食、引き物。三回忌・七回忌と、数年おきに続きます。
遺品整理・住まいの片付け 10〜80万円 賃貸なら退去の期限があるため、短い期間で進めることになります。持ち家なら、空き家のあいだも固定資産税と管理費がかかります。遠方なら、通う交通費も加わります。
お車代・御膳料・心付け 1〜5万円 僧侶の送迎をしない場合のお車代と、会食を辞退された場合の御膳料です。寺院との関係や当日の流れによって必要になります。現金で用意することが多く、新札を避ける作法もあります。施設の職員への心付けは、不要または禁止としている斎場もあります。
相続の手続き費用 5〜50万円 不動産の名義変更(登録免許税と司法書士の報酬)や、相続税の申告(税理士の報酬)。相続登記は義務になっていて、そのままにしておくと過料の対象になることがあります。
葬祭費・埋葬料 3〜7万円(戻る) 健康保険(協会けんぽ)なら、埋葬料は原則5万円です(全国健康保険協会の埋葬料(費)のページ)。国民健康保険の葬祭費は自治体ごとに違います(5万円〜7万円など)。どちらも申請して受け取るもので、時効があります(協会けんぽは原則2年)。

条件を変えると、どう変わるか

ボード1で、次のように変えることができます。

  • 会葬者を 10名にする — 出ていく合計は 235万円、差し引きの負担は 220万円です。 支出は 24万円減りますが、香典も 20万円減るので、負担の差は 4万円です。 香典を辞退するかどうかや、親族の構成によって、結果は変わります
  • 戒名・法名へのお布施を 100万円にする — 「宗教者へ」が 58万円から 128万円になり、 出ていく合計は 329万円、差し引きの負担は 294万円です。 この額は菩提寺との関係にも関わるので、金額だけでは決まらない費目です
  • 納骨先を変える — ボード3で納骨・お墓を 15万円(合祀型の永代供養)にすると、あとに続く費用は 45万円です。 ボード1に入れると、出ていく合計は 224万円、差し引きの負担は 189万円です。 新しく墓石を建てるとして 150万円にすると、あとに続く費用は 180万円、出ていく合計は 359万円、差し引きの負担は 324万円。 この2つの差は 135万円です。年間の管理料が不要なプランも多い一方、納骨堂や、個別に安置する期間があるものは、 管理料がかかる契約もあります

次に読む — 結婚式費用の計算例 — 人数・単価・サービス料から試算。結婚式の費用を、人数によって変わる費目・変わらない費目・サービス料に分けて試算しています。


お金の活用例をもっと見る →