活用例 · 学習 · 2026-09-26 更新

てこのつり合い — おもりの重さ×支点からの距離で考える

てこは、おもりの重さ × 支点からの距離が左右で等しいときにつり合います。 左に 60g を支点から 20cm、右に 40g を 30cm の位置につるすと、どちらも 1,200 になり、 右のほうが軽くてもつり合います。 このページでは、つり合わせるおもりや距離の出し方と、おもりが2つ以上あるとき、 てこで重い物を持ち上げるときの計算も扱います。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

上の段が支点の左側、下の段が右側です。どちらの段も、左の列がおもりの重さ、右の列が支点からの距離で、 まん中の列に、その2つを掛けた「はたらき」が出ます。

中段のまん中の「左 − 右」は、左右のはたらきの差です。0 なら、つり合っています。 中段の左の「つり合う右の距離」は、右のおもりを今の重さにしたまま、つり合わせる距離です。 中段の右の「つり合う右のおもり」は、右の距離を今のままにして、つり合わせる重さです。

この例では、左も右もはたらきが 1,200 で、差は 0 です。 右のおもりは 40g で、左の 60g より軽いのに、つり合っています。

てこをかたむけるはたらき — 重さ × 支点からの距離

てこは、棒を1点で支えて、そのまわりにかたむくようにした道具です。支えている点を支点といいます。

おもりが棒をかたむけようとする強さは、おもりの重さだけでは決まりません。 同じおもりでも、支点から遠くにつるすほど、強くかたむけます。 小学校の理科では、この強さを「てこをかたむけるはたらき」と呼び、次の式で表します。

てこをかたむけるはたらき = おもりの重さ × 支点からの距離

左右のはたらきが等しいとき、てこは水平につり合います。 等しくないときは、はたらきの大きいほうが下がります。 ボード1の「左 − 右」がプラスなら左が下がり、マイナスなら右が下がります。

ボード1で右のおもりを 30g にすると、右のはたらきは 900 になります。 「左 − 右」は 300 で、左が下がります。 右のおもりを 80g にすると、右のはたらきは 2,400 です。「左 − 右」は −1,200 で、右が下がります。

「重いほうが下がる」が当てはまるのは、左右の距離が同じときです。 ボード1で右の距離を 20cm にすると、左右とも支点から 20cm になります。 このときは「左 − 右」が 400 になり、重い左の 60g が下がります。

距離は、支点から、おもりをつるした位置までを測ります。棒の端からではありません。 学校の実験用てこのように、距離を目盛りの数で数える場合も、同じ計算ができます。 左の目盛り 2 に 60g、右の目盛り 3 に 40g なら、60 × 2 と 40 × 3 はどちらも 120 です。

はたらきの 1,200 は、g と cm を掛けた数なので、重さでも長さでもありません。左右を比べるための数です。 物理では、このはたらきを「力のモーメント」と呼び、力 × 支点からの距離で表します。

つり合わせるおもりと距離を出す

左のはたらきが決まっていれば、右をどうすればつり合うかを計算で出せます。 右のはたらきも同じ 1,200 にすればよいので、次のようになります。

  • 右のおもりが決まっているとき — 右の距離 = 左のはたらき ÷ 右のおもり
  • 右の距離が決まっているとき — 右のおもり = 左のはたらき ÷ 右の距離

この例では、1,200 ÷ 40 = 30cm と、1,200 ÷ 30 = 40g です。 ボード1の中段の左右の2枚が、この計算をしています。

右の距離を 2倍の 60cm にすると、つり合う右のおもりは半分の 20g になります。 はたらきを 1,200 のまま保つには、距離が2倍なら、重さは半分になるからです。 このように、一方を何倍かにすると、もう一方が何分の1になる関係を反比例といいます。

ボード1で右を 20g・60cm にすると、「左 − 右」は 0 に戻ります。 左のおもりを 90g にすると、左のはたらきは 1,800 になり、右が 40g のままなら、つり合う距離は 45cm です。

おもりが2つ以上あるとき — はたらきを合計する

片側に2つ以上のおもりをつるしたときは、1つずつはたらきを出して、合計します。

ボード2

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左の列がおもりA、右の列がおもりBで、どちらも支点の左側につるしています。 上の段が重さ、下の段が支点からの距離、そのあいだがそれぞれのはたらきです。 まん中の列は、上から、左のはたらきの合計、つり合う右のおもり、右の距離です。

A は 40g を 10cm、B は 20g を 30cm の位置につるしています。 A のはたらきは 400、B は 600 で、合計は 1,000 です。 右の距離が 20cm なら、つり合う右のおもりは 1,000 ÷ 20 = 50g です。

左の2つを合わせると 60g ですが、1つの 60g のおもりとしては扱えません。 ボード2で A と B の距離を入れかえて、A(40g)を 30cm、B(20g)を 10cm にします。 すると合計のはたらきは 1,400 になり、つり合う右のおもりは 70g です。 左の重さの合計は同じ 60g でも、どこにつるすかで、つり合わせるのに必要な右のおもりは 50g にも 70g にもなります。

左右の両方に2つ以上つるしたときも同じです。左は左、右は右で、はたらきを合計して比べます。

てこで重い物を持ち上げる — 支点から遠いところをおす

棒の下に台を置いて支点にし、棒の一方に荷物をかけて、反対側を手でおし下げる場面です。 手でおす力も、おもりと同じように「力 × 支点からの距離」で考えられます。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列が荷物の側で、上が荷物の重さ、中段が支点から荷物までの距離です。 右の列が手の側で、中段が支点から手までの距離、下の段が手をおし下げる長さです。 まん中の列は、上から、手に必要な力、手が荷物の何倍遠いか、荷物が上がる高さです。

この例では、30kg の荷物が支点から 20cm、手が支点から 120cm の位置にあります。 手は荷物より 6倍遠いので、手に必要な力は 6分の1 の 5kg です。 はたらきで確かめると、荷物の側は 30 × 20 = 600、手の側は 5 × 120 = 600 で、等しくなっています。

力の大きさは、同じ重さのおもりで表しています。 手に必要な力 5kg は、手の位置に 5kg のおもりをつるしたときと同じ力、という意味です。

小学校の理科では、支えるところを支点、力を加えるところを力点、物に力がはたらくところを作用点と呼びます。 ボード3では、手の位置が力点、荷物の位置が作用点です。 力点を支点から遠ざけるほど、また作用点を支点に近づけるほど、小さい力で持ち上げられます。

そのかわり、手は大きくおし下げることになります。 ボード3の下の段では、手を 30cm おし下げても、荷物が上がるのは 6分の1 の 5cm です。

なぜ「重さ × 距離」なのか

てこのきまりは、実験で確かめられてきたものです。 なぜ距離を掛けるのかは、棒がかたむくときの、上がり下がりの長さから説明できます。

棒がかたむくとき、棒の上の点は、支点を中心に回ります。 支点から2倍遠い点は2倍、6倍遠い点は6倍の長さを上がり下がりします。 ボード3の、手の 30cm と荷物の 5cm が、この関係です。

このとき、手の側と荷物の側で「力 × 上がり下がりする長さ」を比べると、 5kg × 30cm = 150、30kg × 5cm = 150 で、同じになります。 小さい力で重い物を持ち上げられるのは、そのぶん長くおし下げているからです。 中学校の理科では、この考え方を「仕事の原理」として学びます。

ボード1のつり合いも、同じように説明できます。 右のおもりは支点から 30cm で、左の 20cm の 1.5倍遠い位置です。 そのため、棒が少しかたむいて左が 2cm 下がると、右は 3cm 上がります。

  • 左の 60g が 2cm 下がる — 60 × 2 = 120
  • 右の 40g が 3cm 上がる — 40 × 3 = 120

左が下がることで、右をちょうど持ち上げられる、という関係です。 どちらに少しかたむけても余りも不足も出ないので、てこはひとりでにはかたむきません。これがつり合いです。

右のおもりが 30g なら、右は 30 × 3 = 90 にしかならず、左が下がります。 ボード1で右を 30g にしたとき、「左 − 右」が 300 になって左が下がるのと同じ結果です。

数字を変えて確かめる

ボード1で、左を 60g・20cm(はたらき 1,200)のまま、右の距離を変えたときです。

左 60g・20cm に対する右側(ボードで実測)
右の距離 つり合う右のおもり 右が 40g のときの「左 − 右」
10cm120g800
15cm80g600
20cm60g400
30cm40g0
40cm30g−400
60cm20g−1,200

どの行も、右の距離とつり合う右のおもりを掛けると 1,200 です。 右が 40g のままなら、30cm より近いと左が下がり、30cm より遠いと右が下がります。

ボード2で右の距離を 40cm にすると、つり合う右のおもりは 25g、10cm にすると 100g です。 左のはたらきの合計 1,000 を、右の距離で割った値になっています。

次は、ボード3で、荷物を 30kg・20cm のまま、支点から手までの距離を変えたときです。手は 30cm おし下げます。

30kg の荷物を支点から 20cm で持ち上げる(ボードで実測)
支点から手まで 荷物の何倍遠いか 手に必要な力 荷物が上がる高さ
20cm1.0倍30.0kg30.0cm
40cm2.0倍15.0kg15.0cm
60cm3.0倍10.0kg10.0cm
120cm6.0倍5.0kg5.0cm
180cm9.0倍3.3kg3.3cm

手が荷物と同じ 20cm の位置では、荷物と同じ 30kg の力が必要で、手と荷物は同じ長さだけ上がり下がりします。 手を遠ざけるほど力は小さくなり、同じ 30cm をおし下げても、荷物が上がる高さは低くなります。

手を 120cm のままにして、支点から荷物までを 10cm に近づけると、手は 12倍遠くなり、力は 2.5kg になります。 荷物を 60kg にすると、力は 10kg です。

この計算で分かること、分からないこと

このページの計算は、棒の重さを考えていません。 学校の実験用てこは支点が棒のまん中にあるので、棒の重さは左右で同じだけかかり、つり合いには影響しません。 ボード3のように支点が棒のまん中にないときは、棒自身の重さもはたらきを持つので、 実際に必要な力はこの計算とずれます。

おもりは真下に引き、手は棒に対して直角におす場合を考えています。 手をななめにおすと、同じ力でも、棒をかたむけるはたらきは小さくなります。

栓抜きのように、支点が端にあって、力点と作用点が支点の同じ側にある道具もあります。 この場合も、力 × 支点からの距離が両側で等しいという関係は同じで、ボード3の「手に必要な力」の計算がそのまま使えます。

次に読む — 濃度の計算 — 濃度・うすめる・混ぜる 食塩水の濃度の出し方と、水でうすめるときや2つの食塩水を混ぜるときの量を、ボードで計算します。


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