活用例 · お金 · 2026-09-07 更新

浮いたお金は、どこへ行く?

月の予算は10万円。使い道は家賃・食費・娯楽・予備の4つ。 ここで予備費を1万円けずったとする。 合計は10万円のままにしたい。では、その1万円はどこへ行くのだろうか。

先に決めておくこと

「どこへ行くか」は、ひとつには決まらない。 4つに少しずつ配ってもいいし、どれか1つに全部入れてもいい。 決め方を先に選ばないと、答えは出ない。

この記事で選ぶのは「大事なものから順に、ただし上限まで」。 家賃をまず埋めて、上限まで行ったら次へ渡す、という決め方だ。 借金の返済も、電気やガスの段階料金も、この形をしている。

4つの費目と、決めてある上限・下限
順番 費目 いまの額 下限 上限
家賃55,000円50,000円60,000円
食費25,000円25,000円
娯楽10,000円
予備10,000円

家賃は引っ越さないかぎり5万円より下がらないし、6万円より良い部屋も探さない。 食費は2.5万円までと決めた。娯楽と予備には線を引いていない。 そして食費はいま、すでに上限ちょうどにいる。ここが後で効いてくる。

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

予備を0にしてみる

右の「予算(月)」カードには鍵の印が付いていて、10万円に固定されている。 左の4枚のどれを動かしても、合計は10万円のままになるよう残りが動く。

「予備」を 0 にしてみてほしい。 1万円が浮く。

浮いた1万円の行き先
順番 費目 何が起きたか
家賃55,00060,000+5,000。上限で止まった
食費25,00025,000すでに上限。飛ばされた
娯楽10,00015,000残りの5,000が来た
予備10,0000自分で0にした

1万円はまるごと家賃には入らなかった。 家賃は6万円で頭を打ち、そこから先は次へ流れる。 次は食費だが、食費はもう上限にいるので1円も受け取れない。 だから残りの5,000円は、その次の娯楽まで落ちてきた。

画面の上に 「合計 100,000 を保つため 2 枚を調整しました」 と出る。 動いたのは家賃と娯楽の2枚、という意味だ。

減らすときも、上から

Ctrl+Z(Mac は ⌘Z)で戻してから、今度は逆に 「予備」を 20,000 にしてみる。1万円足りなくなる。

減るのも①の家賃からだ。ただし家賃は5万円が下限なので、 減らせるのは5,000円まで。残りの5,000円は②の食費から出る。 結果は 家賃 50,000・食費 20,000・娯楽 10,000娯楽は1円も動かない。

さらに「予備」を 30,000 にすると、家賃はもう下限で動けないので、 食費だけがさらに1万円減って 10,000 になる。 上限や下限に当たった費目は、そこで止まって次に譲る。

順番は、どこで決めているのか

ここまで「①から順に」と書いてきたが、 順番を決める設定はどこにもない。 カードの右下に出ている ①②③④ は、 盤面に置かれた位置が上のものから順に振られているだけだ。

試しに「娯楽」のカードをつかんで、家賃より上へ動かしてみてほしい。 ①が娯楽に付け替わる。そのあと予備を減らすと、今度は娯楽が先に増える。

これは強力だが、気をつけるところでもある。 見やすく並べ直しただけのつもりでも、計算の意味が変わる。 ①②③④ が見えているのはそのためで、 並べ替えたら番号を確かめると覚えておくとよい。

別の決め方とくらべる

予算カードの を開くと、 「いまの比率」「均等」「重み」「上から順に」の4つが並んでいる。 いまは「上から順に」が選ばれている。

ここで少し意外なことが起きる。 「予備を0にする」で試すかぎり、どれを選んでも答えは同じになる。 家賃が上限、食費も上限にいるので、どの決め方でも行き先が娯楽しか残らないからだ。

違いが出るのは減らすほう。 「予備」を 15,000 にして、決め方を切り替えてみてほしい。

「予備」を10,000から15,000にしたとき(5,000円足りなくなる)
決め方 家賃 食費 娯楽
上から順に50,00025,00010,000
いまの比率51,944.44…23,611.11…9,444.44…
均等53,333.33…23,333.33…8,333.33…

「上から順に」だけが家賃を下限まで使い切って、あとは触らない。 ほかの2つは全員から少しずつ集める。 同じ「5,000円足りない」でも、誰がかぶるかがまるで違う。

ついでに、比率と均等では1円未満の端数が出ている。 お金としては困るので、そのときは ⋯ の 「整数のまま分ける」を一緒に使うことになる。

つまずきやすいところ

「上から順に」で迷いやすいところ
つまずき なぜそうなるか ボードで確かめるには
浮いた分は全部いちばん上へ行くと思う 上限があると、そこで止まって次へ流れる 予備を0に。家賃は60,000で止まり、娯楽が15,000になる。
上限にいる費目も少しは動くと思う これ以上増やせないので飛ばされる。減るときは受け持つ。 予備を0にしても食費は25,000のまま。予備を20,000にすると食費は減る。
順番を決める設定を探してしまう 決める場所はない。盤面で上にあるカードが先。 娯楽を家賃より上へ動かすと、① が娯楽に付く。
並べ直したら結果が変わって驚く 位置が順番なので、見た目を整えると意味も変わる カードを動かしたら ①②③④ を見る。番号が変わっていれば順番も変わっている。
決め方を変えても何も起きないので壊れたと思う 上限・下限で行き先がふさがっていると、どの決め方でも同じ答えになる。 予備を0にする操作では4つとも同じ。15,000にすると分かれる。

この見当は、どこまで本当か

このボードは「合計は動かさない」という前提だけで動いている。 実際の家計では、そもそも10万円という枠が動く。 家賃の上限も、引っ越せば変わる。

だからこの記事が言えるのは「決め方を1つ選ぶと、しわ寄せの行き先が決まる」まで。 どの決め方が正しいかではなく、 選んだ決め方が誰にしわ寄せするのかを、先に見ておけるということだ。

次に読む毎月10万円なら、いくら借りられる?。こちらは合計ではなく、毎月の返済額のほうを固定する話。


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