このボードの見かた
1回が1日。上のカードがいまの売れ方で、
「最初の量 120」「入る量 10」「さばける量 30」。
下のカードはセール中で、売れる数だけ40個に増やしてある。
右のグラフは、2つの在庫が減っていく様子を重ねたものだ。
上のカードの「回数」を1から順に増やしてみてほしい。
在庫は 100 → 80 → 60 → 40 → 20 → 0 と、
きれいに20個ずつ減っていく。6日目に0になる。
セール中のほうは、毎日30個ずつ減って4日目に0。
売れるほど早く尽きるのは当たり前に見えるが、
どれだけ早まるかは差の割り算で決まる。
売れる数が1.3倍になっただけで、寿命は3分の2になった。
入荷を増やしていくと、どこかで止まる
「入る量」を10から25に変えてみる。
1日に減るのは5個だけになり、在庫は24日もつ。
さらに30にすると、在庫は120個のまま動かなくなる。
売れた分がそのまま補充されるので、減りようがない。
もっと増やして入荷が売れる数を上回ると、今度は積み上がっていく。
売れる数を5個にしてみると、8日後には160個に増えている。
棚から溢れるのはこちら側の失敗で、在庫切れとは逆の失敗だ。
これは、レジの待ち行列と同じ計算だ
このボードのカードは、
レジの列はなぜ伸びる?
で使ったものとまったく同じ種類のカードで、
欄の名前も「最初の量」「入る量」「さばける量」「回数」で同じだ。
ちがいは、入る量とさばける量のどちらが大きいかだけ。
入るほうが多ければ列になり、出るほうが多ければ在庫が尽きる。
片方は「たまる」話、もう片方は「なくなる」話に見えるのに、計算はひとつしかない。
同じ形は、ほかにもたくさんある。
ダムの水(雨と放流)、貯金(収入と支出)、バッテリー(充電と消費)、
洗濯物(出す量とたたむ量)。
どれも「入る・出る・残る」の3つで書ける。
つまずきやすいところ
この見当は、どこまで本当か
このボードは「毎日きっちり同じ数だけ売れて、同じ数だけ入荷する」という
いちばん単純な見当で動いている。実際の店はこうならない。
週末に多く売れるし、入荷は週2回まとめて来るかもしれない。
だからこの記事が言えるのは「6日きっかりでなくなる」ではない。
「入る量と出る量の差が、時間とともに積み上がる。だから残り日数は差で割って出す」
ところまでだ。波があっても、ならして見れば差が効くことは変わらない。
この記事で使った計算の知恵
大事なのは「6日」ではない。
入る量と出る量があるとき、残りを決めるのは差のほうだ——これが持ち帰るもの。
そしてその差は時間とともに積み上がるので、
小さな差でも日数をかけると大きな結果になる。
レジの列で毎分2人の差が12分で24人になったのと、
在庫で毎日20個の差が6日で120個になるのは、同じひとつの計算だ。
次に読む — レジの列はなぜ伸びる?。同じカードを、増えるほうに使った記事。
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