上のカードがレジ1台。「入る量 10」「さばける量 8」「回数 12」で、1回が1分。 大きな数字の 24 が12分後の列の長さ。 その下に「最大 24(12回目)・さばき切るまで 3回以上」と出ている。 下のカードはレジ2台(さばける量 16)で、「たまらない」。 右のグラフは2つの列の推移を重ねたもの。
数字はすべて例です。実際のお店では来る人数に波があります。 自分の条件に置き換えて動かすためのボードとして置いてあります。
このボードの見かた
1分ごとに 列 = 前の列 + 入る量 − さばいた量。 さばけるのはいる人だけなので、列は0より下にならない。 誰も並んでいなければ、レジは空くだけ。
カードの上にある小さな絵は、線が2本ある。上が来た人の累計、 下がさばいた人の累計。 2本の線の縦の差が、いま並んでいる人数になる。 レジ2台のほうは2本が重なるので、1本に見える。
「さばき切るまで 3回以上」は、平均の待ち時間ではない。 その時点までに来た人が全員レジを通るまでの、いちばん長い分数のこと。 9分目までに来た90人は、12分目(さばいた累計96人)で通り終わるので3分。 10分目以降に来た人は12分では終わらないので、「以上」が付いている。
つまずきやすいところ
列や在庫の話で引っかかるところを、ボードでの確かめ方と並べて整理する。
| つまずき | なぜそうなるか | ボードで確かめるには |
|---|---|---|
| 「2人しか差がないから大丈夫」 | 差は消えずに毎分積み上がる。10分で20人、1時間で120人。 | 回数を60にする。最後の列は 120 になり、「最大 120(60回目)」と出る。 |
| 「レジを2倍にしたら列は半分」 | 列は差で決まる。さばける量が入る量に追いついた時点で、列はできなくなる。 | さばける量を10にすると「たまらない」。11でも16でも同じ表示になる。 |
| 「列が消えるまでの時間」を勘で言う | 最初にいた人数 ÷(さばける量 − 入る量)で決まる。 | 最初の量30・入る量0・さばける量5にする。「最大 30(0回目)・さばき切るまで 最長 6回」。 |
| 「さばき切るまで」を平均の待ち時間だと思う | その時点までに来た人の、いちばん長い待ち時間を出している。早く来た人はもっと短い。 | 「以上」が付いているときは、まだ待ち終わっていない人がいるという意味。回数を増やすと数字が変わる。 |
| グラフの線がまっすぐな理由 | 毎分同じ人数が来て、同じ人数をさばくから。実際は波がある。 | 入る量を12に変える。列は 48 になり、傾きが急になる(差が4に増えたから)。 |
この形はレジだけの話ではない。在庫、洗い物、未読のメール、順番待ちの仕事。 入る量 − さばける量がプラスなら、それは時間で積み上がる。 マイナスなら減って、0で止まる。
動かしてみると
- 回数を60にする — 1時間で 120人。少しの差でも、回数をかけると大きい。
- さばける量を1ずつ上げる — 9では まだたまる。10で止まる。 止まる場所は、入る量と同じになったところ。
- 入る量を0にして、最初の量を30にする — 閉店後に残った列が減っていく形。 6分で0になる。
このボードには、来る人数の波、レジの速さのばらつき、並ぶのをやめる人は入っていない。 入る量とさばける量の差だけを取り出した、いちばん単純な形です。
次に読む — 価格を上げると、利益はどうなる?。こちらは差ではなく、掛け算に山ができる話。