活用例 · 学習 · 2026-09-26 更新

並列回路の合成抵抗 — 枝の電流から求める

並列につないだ抵抗の合成抵抗を、それぞれの枝に流れる電流から求めます。 たとえば 4Ω と 6Ω の抵抗を並列につなぎ、12V の電圧をかけるとします。 4Ω の枝には 3A、6Ω の枝には 2A が流れ、合わせて 5A です。 合成抵抗は 12V ÷ 5A で、2.4Ω になります。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、抵抗1・電圧・抵抗2の3つの入力です。 まん中の列の上と下は、それぞれの枝に流れる電流で、電圧 ÷ 抵抗 で出しています。 右の「全体の電流」は、2つの枝の電流の合計です。 まん中の「合成抵抗」は、左の電圧を右の全体の電流で割った値です。

抵抗1と抵抗2はスライダーで、1Ω から 40Ω まで変えられます。 数字を変えると、右側の4枚も連動して変わります。

並列では、どの枝にも同じ電圧がかかる

並列つなぎは、電気の通り道を途中で枝分かれさせ、抵抗を横に並べるつなぎ方です。 どちらの枝も、電源の両端に直接つながっています。 そのため、どちらの枝にも同じ 12V がかかります。

それぞれの枝に流れる電流は、電流 = 電圧 ÷ 抵抗(オームの法則)で出せます。

  • 4Ω の枝 — 12 ÷ 4 = 3A
  • 6Ω の枝 — 12 ÷ 6 = 2A

電源から出た電流は、2本の枝に分かれて流れ、また1本に合流します。 途中で電流が増えたり減ったりはしません。 そのため全体の電流は、枝の電流の合計の 3 + 2 = 5A です。

全体の電流から、合成抵抗を出す

合成抵抗は、並列の2本をまとめて、1個の抵抗に置き換えたときの抵抗です。 同じ 12V をかけて同じ 5A が流れる抵抗なら、電源から見て区別がつきません。 その抵抗は 12 ÷ 5 = 2.4Ω です。 ボード1の「合成抵抗」は、この割り算をしています。

2.4Ω は、小さいほうの 4Ω よりも小さい値です。 この2.4Ωになる理由は、それぞれの枝に流れる電流から確かめられます。 4Ω の枝だけなら、流れる電流は 3A です。 そこに 6Ω の枝を加えると、その枝の 2A のぶんだけ全体の電流が増えて、5A になります。 同じ電圧で流れる電流が増えるので、電圧 ÷ 電流 で出す合成抵抗は小さくなります。

どの枝にも、0 より大きい電流が流れます。 そのため全体の電流は、いちばん小さい抵抗の枝の電流より、必ず大きくなります。 並列の合成抵抗が、いちばん小さい抵抗よりも小さくなるのは、このためです。

直列と比べる

同じ 4Ω と 6Ω を、一列につないだ場合(直列)と比べます。 ボード2は、直列の合成抵抗と電流を出すボードです。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、ボード1と同じ3つの入力です。 右下の「直列の合成抵抗」は、2つの抵抗の合計です。 右上の「直列の電流」は、電圧をその合成抵抗で割った値です。

直列では、電気の通り道は1本で、電流は2つの抵抗を順に通ります。 1本の道に抵抗が重なるので、合成抵抗は 4 + 6 = 10Ω です。 12V をかけると、流れる電流は 12 ÷ 10 = 1.2A です。

並列では、同じ 12V で 5A が流れました。直列の 1.2A の4倍以上です。 抵抗を直列に加えると合成抵抗は大きくなり、並列に加えると小さくなります。 どちらの場合も、合成抵抗は 電圧 ÷ 全体の電流 です。

逆数の式 1/R = 1/R₁ + 1/R₂

並列の合成抵抗は、1/R = 1/R₁ + 1/R₂ という式でも表されます。 R は合成抵抗、R₁ と R₂ はそれぞれの抵抗です。 この式は、枝ごとの電流を足す計算から導けます。

電圧を V とすると、枝の電流は V/R₁ と V/R₂ です。 全体の電流はその合計で、合成抵抗 R を使うと V/R とも書けます。 そのため、V/R = V/R₁ + V/R₂ です。 両辺を V で割ると、1/R = 1/R₁ + 1/R₂ になります。

抵抗の逆数は「コンダクタンス」と呼ばれ、電流の流れやすさを表します。 単位はジーメンス(S)で、1/Ω と同じです。 ボード3は、この式のとおりに計算するボードです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、抵抗1と抵抗2です。まん中の列で、それぞれの逆数を出しています。 右上の「逆数の合計」は2つの逆数の合計で、右下の「合成抵抗」は、その合計の逆数です。

  • 4Ω の逆数 — 1 ÷ 4 = 0.25S
  • 6Ω の逆数 — 1 ÷ 6 = 約0.167S(ボードでは 0.166667)

2つの合計は約0.417S(ボードでは 0.416667)で、その逆数が 2.4Ω です。 ボード1と同じ値になります。 それぞれの抵抗の逆数を足し、最後にもう一度逆数を取ると、合成抵抗になります。

ボード3には、電圧のカードがありません。 式を導くときに両辺を V で割ったので、合成抵抗は電圧によらずに決まります。 ボード1で電圧を 24V にすると、枝の電流は 6A と 4A、全体の電流は 10A になります。 それでも、合成抵抗は 2.4Ω のままです。

抵抗が2つのときは、この式を変形して R = R₁ × R₂ ÷(R₁ + R₂) とも書けます。 4Ω と 6Ω なら、24 ÷ 10 = 2.4Ω です。 抵抗が3つ以上のときは、1/R = 1/R₁ + 1/R₂ + 1/R₃ のように、逆数の数が増えます。

数字を変えて確かめる

ボード1で、電圧と2つの抵抗を変えた結果です。

並列の2本(ボード1で実測、小数第3位を四捨五入)
電圧 抵抗1 抵抗2 抵抗1の枝電流 抵抗2の枝電流 全体の電流 合成抵抗
12V4Ω6Ω3A2A5A2.4Ω
12V4Ω4Ω3A3A6A2Ω
12V3Ω6Ω4A2A6A2Ω
12V4Ω12Ω3A1A4A3Ω
12V4Ω20Ω3A0.6A3.6A約3.33Ω
12V4Ω40Ω3A0.3A3.3A約3.64Ω
24V4Ω6Ω6A4A10A2.4Ω
6V4Ω6Ω1.5A1A2.5A2.4Ω

4Ω と 4Ω のように同じ抵抗を2本並べると、2本の枝に同じ 3A が流れます。 4Ω が1本だけなら 3A なので、全体の電流は2倍の 6A です。 合成抵抗は、4Ω の半分の 2Ω になります。

抵抗2を 12Ω、20Ω、40Ω と大きくすると、合成抵抗は 3Ω、約3.33Ω、約3.64Ω と、4Ω に近づきます。 抵抗2の枝の電流は小さくなりますが、0 にはなりません。 そのため、合成抵抗が 4Ω を超えることはありません。

電圧を 24V や 6V にすると、電流は電圧に比例して変わります。 合成抵抗は、どちらも 2.4Ω のままです。

ボード2で抵抗2を 4Ω にすると、直列の合成抵抗は 8Ω、電流は 1.5A です。 並列の 2Ω・6A と比べると、合成抵抗は4倍、電流は4分の1です。 ボード3で抵抗2を 4Ω にすると、逆数の合計は 0.5S、合成抵抗は 2Ω で、ボード1と一致します。

この計算で分かること、分からないこと

ボードは、理想的な抵抗と電源として計算しています。 抵抗の値は、電流や温度によって変わらないものとしています。 電源の電圧は流れる電流によらず一定で、導線の抵抗は 0 としています。

実際の電池や電源には、内部抵抗があります。 流れる電流が増えるほど、電源の端子の電圧は少し下がります。 そのため、並列の枝を加えて全体の電流が増えると、それぞれの枝にかかる電圧は、表示の電圧より少し低くなることがあります。 また、実際の抵抗器の値には誤差があり、表示の値から少しずれることがあります。

並列の枝が増えるほど、電源から流れる電流は増えます。 電源や導線に流せる電流には上限があり、ボードの計算にはその上限は入っていません。

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