左上の「作る人数」の ± を押すと、右の材料10件が同時に変わる。 手で10回かけ算するのと結果は同じだが、かける回数は1回しかない。

このボードの見かた

数字を持っているカードは3枚だけ。作る人数、レシピの基準(2人分)、 そして倍率=人数 ÷ 基準。材料のカードはどれも 「2人分の量 × 倍率」という同じ形で、倍率カード1枚を見ている。

だから直す場所が1か所しかない。4人分で書かれたレシピを写したときは 「レシピの基準」を4にすれば、倍率も材料10件も同時に直る。 電卓で10回かけると、どこか1か所で前の数字を使ってしまうことがある。 この形にしておくと、そのずれ方ができない。

比例とは、片方を◯倍すると、もう片方も◯倍になる関係のこと。 ボードの線は、その「◯倍」がどこからどこへ伝わっているかを描いている。

つまずきやすいところ

料理を倍にするときに引っかかるところを、ボードでの確かめ方と並べて整理する。 比例させないほうがうまくいく量がある、というのがこの表の主題。

レシピを倍にするときに迷いやすいところ
つまずき なぜそうなるか ボードで確かめるには
塩を倍にすると塩からい 味つけは量そのものより濃さで感じる。材料と同じ倍率でも、煮つまり方が変われば濃さは変わる。 塩のカードの式を消して、数字を直接書く。そのカードだけ倍率から外れる。
加熱時間が倍にならない 熱は鍋底の面積から入るので、中身が倍でも時間は倍にならない。焦げるほうが早い。 加熱時間のカードは置いていない。比例しない量をボードに載せないのも設計のうち。
3人分にすると割れない数が出る 1.5倍すると「にんにく1.5かけ」「卵1.5個」。材料には半分にできないものがある。 人数を3にする。にんにくは 1.5 と出るが、実際は1か2。ボードは丸めないので、判断は人がする。
レシピの「◯人分」を読み飛ばす 基準が2人分か4人分かで倍率は2倍ちがう。いちばん影響が大きいのに、いちばん見落とされる数字 「レシピの基準」カードを書き換える。ボードの中で唯一、材料全部の意味を変えるカード。
水は比例させると多い 煮込みの水は量ではなくかぶる高さで決まる。鍋が変われば必要量も変わり、蒸発する量も変わる。 水のカードも置いていない。ボードに並んでいるのは、比例させてよい材料だけ。
1人分にすると計れない 0.5倍すると、こしょう 0.2g が 0.1g になる。家庭のはかりで計れない量が下限になる。 人数を1にする。小さすぎる数が出た材料が、そのレシピを縮められる限界を教えてくれる。

倍率を1つ置く形は、料理以外でも同じように使える。 縮尺模型(1本の縮尺で全部の寸法が決まる)、図面の拡大、写真の印刷サイズ。 「もとの値 × 倍率」のカードを並べ、倍率だけを外に出すという組み方は共通で、 変えたい数字が1か所に集まっているかどうかが、後で直しやすいかを決める。

動かしてみると

  • 人数を1にする — 倍率が 0.5 になる。こしょうが 0.1g。 計れない量が出るところが、そのレシピの下限。
  • 人数を8にする — スパゲッティ 720g。数字は正しいが、 鍋に入るかどうかは別の話。ボードは容量を知らない。
  • 「レシピの基準」を4にする — 材料が全部半分になる。 基準を読み違えたときの直し方が、1か所で済むことが分かる。

次に読む単位量あたりの大きさ。こちらは「◯倍する」ではなく「1つあたりに直す」ほうで、比例のもう一方の入口になる。


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