活用例 · お金 · 2026-09-26 更新

粗利率とマークアップ率 — 違いと計算方法

粗利率とマークアップ率を、原価と売価から求めます。 どちらも同じ粗利(売価 − 原価)を使いますが、割る数が違います。 粗利率は売価で、マークアップ率は原価で割ります。 原価 80・売価 100 なら、粗利は 20 で、粗利率は 20%、マークアップ率は 25% になります。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、上から原価・粗利・売価です。粗利は、売価から原価を引いた額です。 右の2枚は、上がマークアップ率、下が粗利率です。どちらも、左の列の中央にある粗利から出しています。

原価と売価の数字を変えると、粗利と2つの率も連動して変わります。 この例は、違いを比べやすいように、原価と売価だけの単純な形にしています。

同じ粗利を、売価で割るか、原価で割るか

この例の粗利は 100 − 80 = 20 です。ここまでは、どちらの率でも同じです。

粗利率(%)= 粗利 ÷ 売価 × 100

粗利率は、売価のうち何%が粗利かを表します。 売価の 100 を 100% と見て、20 ÷ 100 で 20% です。 粗利は会計では「売上総利益」と呼ばれ、粗利率は「売上総利益率」とも呼ばれます。

マークアップ率(%)= 粗利 ÷ 原価 × 100

マークアップ率は、原価にどれだけ上乗せしたかを表します。 原価の 80 を 100% と見て、20 ÷ 80 で 25% です。

同じ粗利 20 を、100 で割るか 80 で割るかの違いなので、20% と 25% になります。 どちらも正しい計算で、基準にしている金額が違います。 売価が原価より高いときは、割る数の小さいマークアップ率のほうが、いつも大きくなります。

率は、金額の大きさではなく、原価と売価の割合で決まります。 ボード1で原価を 800、売価を 1,000 にすると、粗利は 200 になります。 それでも粗利率は 20.0%、マークアップ率は 25.0% のままです。

粗利は売価の一部なので、原価が 0 より大きければ、粗利率は 100% に届きません。 マークアップ率には、そうした上限がありません。 原価 80 で売価を 160 にすると、粗利率は 50.0%、マークアップ率は 100.0% です。 原価の2倍の値段で売ると、マークアップ率がちょうど 100% になります。

目標の率から売価を決める — 同じ 20% でも売価が違う

反対に、率を先に決めて、売価を出すこともあります。 ボード2は、原価 80 から、目標の粗利率と目標のマークアップ率で、それぞれ売価を出します。 どちらの目標も 20% にしてあります。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、上から目標粗利率・原価・目標マークアップ率です。 右上が粗利率から出す売価、右下がマークアップ率から出す売価です。 目標の率は、スライダーで変えられます。

マークアップ率 20% は、原価に 20% を加えることです。 売価は 80 ×(1 + 0.2)= 96 になります。

マークアップ率で決める売価 = 原価 ×(1 + マークアップ率 ÷ 100)

粗利率 20% は、売価の 20% が粗利になることです。 残りの 80% が原価にあたるので、原価の 80 が売価の 80% になる金額を求めます。 80 ÷ 0.8 = 100 です。

粗利率で決める売価 = 原価 ÷(1 − 粗利率 ÷ 100)

粗利率のほうが割り算になるのは、基準になる売価が、まだ決まっていないからです。 20% は、これから決める売価に対する割合です。 そのため、原価に 20% を加えるだけでは、粗利率は 20% になりません。

原価に 20% を加えた 96 で売ると、粗利は 16 です。 売価に対する割合は 16 ÷ 96 で、約 16.7% になります。 ボード1で売価を 96 にすると、粗利率 16.7%・マークアップ率 20.0% と出ます。

同じ「20%」でも、粗利率で決めれば 100、マークアップ率で決めれば 96 です。 「利益 20%」と言うときに、どちらの率のことかで、売価が変わります。

粗利率とマークアップ率を、互いに直す

2つの率は、原価がいくらでも、同じ関係でつながっています。 ボード3は、粗利率をマークアップ率に、マークアップ率を粗利率に直すボードです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

上の段は、粗利率 20% をマークアップ率に直して、25.0% です。 下の段は、マークアップ率 25% を粗利率に直して、20.0% です。

式は、売価を 100 と置くと出せます。 粗利率が 20% なら、粗利は 20、原価は 100 − 20 = 80 です。 マークアップ率は 20 ÷ 80 で、25% になります。

マークアップ率 = 粗利率 ÷(100 − 粗利率)× 100

反対に直すときは、原価を 100 と置きます。 マークアップ率が 25% なら、粗利は 25、売価は 100 + 25 = 125 です。 粗利率は 25 ÷ 125 で、20% になります。

粗利率 = マークアップ率 ÷(100 + マークアップ率)× 100

ボード3の上の段で、粗利率を変えると、次のようになります。

粗利率をマークアップ率に直す(ボードで実測)
粗利率 マークアップ率
10%11.1%
20%25.0%
30%42.9%
40%66.7%
50%100.0%
60%150.0%
75%300.0%
90%900.0%

粗利率が 10% のうちは、2つの率はあまり違いません。 粗利率 50% では、マークアップ率は 100% で、2倍になります。 粗利率が 100% に近づくと、式の(100 − 粗利率)が 0 に近づくので、マークアップ率は急に大きくなります。

数字を変えて確かめる

ボード1で、原価を 80 のまま、売価を変えたときです。

原価 80 の場合(ボードで実測)
売価 粗利 粗利率 マークアップ率
961616.7%20.0%
1002020.0%25.0%
1204033.3%50.0%
1608050.0%100.0%

売価を上げるほど、2つの率の差も開きます。 売価 100 では 5 ポイントの差ですが、売価 160 では 50 ポイントの差です。

次は、ボード2で、目標粗利率と目標マークアップ率を同じ数にそろえて変えたときです。

原価 80 から売価を決める(ボードで実測)
目標の率 粗利率から出す売価 マークアップ率から出す売価
0%80.080.0
20%100.096.0
25%106.7100.0
30%114.3104.0
50%160.0120.0

目標が 0% なら、どちらの売価も原価の 80 のままです。 率を上げるほど、粗利率から出す売価のほうが高くなっていきます。

ボード2で、目標粗利率を 20% のまま、目標マークアップ率だけを 25% にすると、2つの売価はどちらも 100.0 になります。 粗利率 20% とマークアップ率 25% は、同じ値付けを、別の基準で表した数です。

この計算で分かること、分からないこと

粗利は、売価から原価を引いただけの額です。 人件費や家賃、広告費などは、まだ引いていません。 粗利率が高くても、そうした費用を払うと、利益が残らないことがあります。

何を原価に含めるかでも、率は変わります。 仕入れの値段だけにするか、送料や包装の費用も含めるかで、粗利が違ってきます。

売価と原価で、税込と税抜がそろっていないときも、率は変わります。 税抜 100 の売価に消費税 10% を加えると、110 です。 ボード1で、原価 80 のまま売価を 110 にすると、粗利率は 27.3%、マークアップ率は 37.5% と出ます。

日本語では「値入率」という言葉が、売価を基準にした意味でも、原価を基準にした意味でも使われることがあります。 この記事では、売価を基準にしたものを「粗利率」、原価を基準にしたものを「マークアップ率」と呼んでいます。

次に読む — 損益分岐点の計算 — 固定費を回収できる販売数を求める 売値・1個あたりの原価・毎月の固定費から、利益が 0 になる販売数と売上高を出します。


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