活用例 · お金 · 2026-09-10 更新

何個売れば、元が取れる?

1個1,500円で売る。作るのに1個900円かかる。 そのほかに、場所代や道具の代金で毎月120,000円この試算では、200個売った時点で元が取れる。 出し方は割り算1回だ。

まず、1個売れるといくら残るか

1,500 − 900 = 600円。 これが1個売れるたびに手元に残る額だ。

この600円は、もうけではなく、固定費を埋めるための額だと思ってほしい。 最初は120,000円のマイナスから始まる。 1個売るごとに600円ずつ、そのマイナスが減っていく。

マイナスが0になった瞬間が「元が取れた」ところだ。

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

割り算1回で出る

120,000 ÷ 600 = 200個。 ボードの「0になる個数」がこれだ。

式にすると 固定費 ÷ 1個あたりのもうけ。 覚えることはこれだけで、値段も原価も固定費も、 この2つの数に畳んでから割る

「売れる数」のつまみを200まで動かしてみてほしい。 月の利益がちょうど0円になる。 100個なら−60,000円、300個なら+60,000円だ。

線にすると、0を横切る場所になる

右のカードの「描く」を押してみてほしい。 売れる数を0個から400個まで動かしたときの利益が、1本の線になる。

線は0個のところで −120,000円から始まり、 まっすぐ上がって200個で0を横切る。 カードも 「0 になる: 200」 と出す。

割り算で出した200と、線が0を横切る200は、同じ答えだ。 同じ問いに道が2本あると思っておくと、あとで役に立つ。 割り算のほうが速いが、線のほうは「答えが無い」ときにそれが見える。 これは後の節で確かめる。

値段を下げるのと、原価が上がるのは同じこと

売る値段を1,400に下げてみる。必要な数は240個になる。

今度は値段を1,500に戻して、原価を1,000に上げてみる。 こちらも240個だ。

まったく同じ数が出る。 どちらも「1個あたりのもうけ」を600から500に変えただけだからだ。 この計算が見ているのは値段でも原価でもなく、その差だけである。

元が取れる個数(ボードで実測)
変えたところ 1個あたりのもうけ 元が取れる個数
そのまま600円200個
値段を1,400に下げる500円240個
原価が1,000に上がる500円240個
固定費が150,000に増える600円250個
値段を3,000に上げる2,100円57.142857個
固定費が0になる600円0個

固定費の行だけ、動き方がちがうことにも気づいてほしい。 固定費が25%増えると、必要な個数も25%増える。 固定費と必要な個数は、まっすぐ比例する。

答えが出ない入れ方が2つある

売る値段を900にしてみてほしい。原価と同じ額だ。 「0になる個数」が計算できないという表示に変わる。

壊れたのではない。1個売っても残るのは0円なので、 何個積み上げても120,000円には届かない。 0で割ることはできない、が計算の側の言い分で、 何個売っても元は取れない、が商売の側の言い分だ。同じことを言っている。

もっと危ないのは次だ。売る値段を800にしてみてほしい。 原価より安い。「0になる個数」は −1,200個 と出る。

マイナスの個数は答えではない。 売るほど1個100円ずつ損が増えるので、売れば売るほど遠ざかる。 それでも割り算はきちんと数を返してしまう。

ここで「描く」が効く。 この2つのどちらでも、線は0を横切らないので、 カードは「0 になる」を出さない式は答えらしきものを返すが、線は無いものを無いと言う。

端数は切り上げる

売る値段を3,000にしてみてほしい。 57.142857個と出る。

売る個数は整数なので、この答えはそのままでは使えない。 57個では届かない。58個でようやく超える。

元が取れる個数は、いつも切り上げだ。 四捨五入ではない。57.1を57に丸めると、まだ赤字の数を「達成」と読んでしまう

つまずきやすいところ

元が取れる個数で迷いやすいところ
つまずき なぜそうなるか ボードで確かめるには
固定費 ÷ 売る値段 で計算する 売れた1,500円のうち900円は原価に出ていく。残るのは600円だけ。 120,000 ÷ 1,500 は80個。ボードで80個にすると、まだ−72,000円。
値段を上げるほど早く元が取れると思う 個数の上では正しい。ただし値段を上げれば売れる数は減るのが普通で、この計算はそこを見ていない。 値段3,000で58個。ただし58個売れるかどうかは、この盤面の外の話。
「0になる個数」のマイナスを答えとして読む 原価より安く売ると、売るほど遠ざかる。マイナスは「無い」の別の言い方。 値段を800に。−1,200個と出るが、線は0を横切らない。
端数を四捨五入する 切り上げないと、まだ赤字の数を達成と読む 値段3,000で57.142857個。57個ではまだ届かない。
値段を下げるのと原価が上がるのを別々に考える 効いているのは差だけ。同じ額なら結果も同じ。 値段1,400も、原価1,000も、どちらも240個。

この見当は、どこまで本当か

この計算は2つのことを一定だと決めてかかっている

1つは固定費が本当に固定であること。 売れる数が増えると、送料や手数料、人手のように一緒に増える費用が出てくる。 それは固定費ではなく原価の側へ入れるほうが近い。

もう1つは1個あたりの原価が変わらないこと。 まとめて仕入れれば安くなるし、無理に増やせば残業代で高くなる。 作る数によって原価が動くなら、この直線は曲がる。

そして値段と売れる数の関係は、この盤面に入っていない。 値段を上げれば必要な個数は減るが、売れる数も減る。 そこまで見たいときは、隣の記事のほうが向いている。

言えるのは「1個あたりのもうけと固定費がこの額なら、0になるのは200個」まで。

次に読む高く売れば、利益も増える?。値段を上げると売れる数が減る、をこの記事に足すとどうなるかを見る。

どの数字を直せば、利益はいちばん動く? — 値段・原価・固定費のどれから手をつけると効くのか、順に並べる。


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