活用例 · 学習 · 2026-09-26 更新

増減率の計算 — 変化後の値と、元に戻すのに必要な上昇率

2つの値から増減率を出す計算と、増減率から変化後の値を出す計算です。 たとえば 1,000 が 800 になったときの増減率は −20% です。 800 から 20% 上がっても 960 で、1,000 には戻りません。 元に戻すには、25% の上昇が必要です。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の2枚が、前の値と後の値です。右の3枚は上から、増減した量・増減率・前の値に対する割合です。 前の値と後の値を変えると、右の3枚が連動して変わります。

増減率は、増えた量や減った量を前の値で割る

増減率は、前の値と比べて何%増えたか、何%減ったかを表す数です。式は次のとおりです。

増減率 =(後の値 − 前の値)÷ 前の値 × 100

この例では、後の値から前の値を引くと 800 − 1,000 = −200 です。 これを前の値の 1,000 で割って 100 を掛けると、−20% になります。 マイナスは減ったことを、プラスは増えたことを表します。

割る数は、いつも前の値です。増減率は「前の値の何%ぶん変わったか」を表す数だからです。 値段・売上・来場者数など、何の数でも同じ式で出せます。

右下のカードは、後の値が前の値の何%にあたるかを出しています。 この例では 800 ÷ 1,000 × 100 = 80% です。 増減率は、この割合から 100 を引いた数になります(80 − 100 = −20)。 「前年比」という言葉は、この割合の意味で使われることも、「前年比 20% 減」のように増減率の意味で使われることもあります。

前と後を入れ替えると、率が変わる

ボード1で、前の値を 800、後の値を 1,000 にすると、増減率は 25% になります。 増減した量は同じ 200 ですが、割る数が 1,000 から 800 に変わるからです。 1,000 から 800 へは 20% の減少で、800 から 1,000 へは 25% の増加です。 この違いが、あとで出てくる「元に戻すのに必要な上昇率」のもとになっています。

変化後の値は、前の値に(1 + 増減率)を掛ける

反対に、前の値と増減率から、変化後の値を出すこともできます。 20% 下がるなら、残るのは 80% なので、前の値に 0.8 を掛けます。 20% 上がるなら 120% になるので、1.2 を掛けます。

変化後の値 = 前の値 ×(1 + 増減率 ÷ 100)

下がるときは、増減率をマイナスで入れます。 ボード2では、この計算を2回続けています。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左上が元の値、その下が1回目の増減率です。2回目の増減率は、下の中央にあります。 増減率の2枚はスライダーで、−90% から 100% までの範囲で変えられます。 1回目のあと・2回目のあとの値と、元の値から見た全体の増減率が、連動して変わります。

20% 下がって 20% 上がっても、元に戻らない

ボード2の初期値は、1,000 が 20% 下がり、そのあと 20% 上がる例です。 1回目のあとは 800、2回目のあとは 960 で、全体の増減率は −4% です。 1,000円の品物を 20% 値下げして 800円にし、あとで 20% 値上げすると 960円になる、という計算と同じです。

同じ 20% でも、掛かる数が違います。

  • 下がるとき — 1,000 の 20% で、200 減る
  • 上がるとき — 800 の 20% で、160 増える

200 減って 160 増えるので、1,000 − 200 + 160 = 960 です。 上がるときの 20% は、減ったあとの小さい数に掛かります。 減った 200 の 20%、つまり 40 だけ、増える量が少なくなります。これが元との差の 40 です。

掛け算で見ると、0.8 × 1.2 = 0.96 です。2回の変化で、元の 96% になります。 先に 20% 上げてから 20% 下げても、1,200 を経て同じ 960 になります。 掛け算は、順番を変えても答えが変わらないからです。

売上が先月 20% 減り、今月 20% 増えたときも同じです。今月の売上は、2か月前の 96% です。

元に戻すのに必要な上昇率

800 を 1,000 に戻すのに必要な上昇率は、ボード3で計算できます。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左上が元の値、その下が下落率です。中央が下がったあとの値で、右の2枚が、元に戻すのに必要な量と上昇率です。 右下のカードは、下落率を変えたときの必要な上昇率を、線で描くカードです。

800 から 1,000 に戻すには、200 増える必要があります。 この 200 を、いまの値の 800 で割ると、200 ÷ 800 × 100 = 25% です。

下がった量と戻す量は、どちらも 200 です。違うのは割る数です。 下がるときは元の 1,000 で割り、戻すときは下がったあとの 800 で割ります。 800 のほうが小さいので、同じ 200 でも率は大きくなります。 ボード1で前と後を入れ替えたときと、同じ計算です。

この上昇率は、元の値によりません。 ボード3で元の値を 250 にすると、下がったあとは 200、戻すのに必要な量は 50 で、上昇率はやはり 25% です。 下落率だけで決まるので、式にすると次のようになります。

元に戻すのに必要な上昇率 = 1 ÷(1 − 下落率)− 1

下落率が 20%(0.2)なら、1 ÷ 0.8 − 1 = 1.25 − 1 = 0.25 で、25% です。 1.25 は、800 を 1,000 にする倍率です。そこから元の 1 を引いた 0.25 が、増える部分にあたります。

下落が大きいほど、必要な上昇率は急に大きくなる

右下のカードで「描く」を押すと、下落率を 0% から 90% まで変えたときの、必要な上昇率が線になります。 左のほうでは下落率とあまり変わりませんが、右へ行くほど急に立ち上がります。 一度描いたあとは、スライダーで下落率を変えると、カードの上の数字も連動して変わります。

  • 下落率 10% — 必要な上昇率 11.1%
  • 下落率 20% — 25%
  • 下落率 30% — 42.9%
  • 下落率 50% — 100%(半分になったら、2倍にしないと戻らない)
  • 下落率 75% — 300%(4分の1になったら、4倍)
  • 下落率 80% — 400%(5分の1になったら、5倍)
  • 下落率 90% — 900%(10分の1になったら、10倍)

下落率が小さいうちは、必要な上昇率は下落率より少し大きいくらいです。 下落率が 50% を超えると、差は急に広がります。 下落率が 100% なら値は 0 になり、0 に何% を掛けても 0 のままなので、元には戻りません。 式でも 1 ÷ 0 になり、計算できません。

数字を変えて確かめる

ボード2で、1回目と2回目の増減率を変えた結果です。元の値は 1,000 のままです。

増減を2回続けたとき(ボード2で実測)
1回目 2回目 1回目のあと 2回目のあと 全体の増減率
−10%+10%900990−1.0%
−20%+20%800960−4.0%
−30%+30%700910−9.0%
−50%+50%500750−25.0%
+20%−20%1,200960−4.0%
+10%+10%1,1001,21021.0%
−10%−10%900810−19.0%
−20%+25%8001,0000.0%

同じ率で下げてから上げると、元の値より少なくなります。 減る割合は、その率を2回掛けた数です。 10% なら 0.1 × 0.1 = 0.01 で 1%、30% なら 0.3 × 0.3 = 0.09 で 9%、50% なら 0.5 × 0.5 = 0.25 で 25% です。 率が大きいほど、元から離れます。

10% 上がって、さらに 10% 上がると、20% ではなく 21% 増えます。2回目の 10% は、1,100 に掛かるからです。 10% 下がって、さらに 10% 下がると、20% ではなく 19% 減ります。 −20% のあとに +25% なら、ちょうど 1,000 に戻り、全体の増減率は 0% です。ボード3の 25% と一致します。

ボード1では、割合そのものの変化も計算できます。 割合が 10% から 12% になったとき、前の値を 10、後の値を 12 にすると、増減率は 20% です。 割合の差の 2 は「2ポイント」と呼ばれます。 「2ポイント増えた」と「20% 増えた」は、同じ変化を、差と増減率の2通りで表しています。

この計算で分かること、分からないこと

増減率は、前の値で割る計算です。そのため、前の値が 0 のときは出せません。 ボード1で前の値を 0 にすると、増減率と割合のカードには「計算できません」と出ます。 0 から 100 に増えたような変化は、増えた量の 100 で表すことになります。

前の値がマイナスのときも、増減率はそのままでは意味が通りません。 たとえば利益が −100 から 50 になると、ボード1の増減率は −150% になります。値は増えているのに、率はマイナスです。 赤字から黒字に変わったような場合は、増えた量(この例では 150)で見るほうが分かりやすくなります。

次に読む — 粗利率とマークアップ率 — 違いと計算方法 同じ粗利を売価で割るか原価で割るかで、20% と 25% のように率が変わることを、原価と売価から計算しています。


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