活用例 · お金 · 2026-09-26 更新

賃貸の初期費用の計算例 — 家賃から敷金・礼金などを積み上げる

賃貸の契約時に必要な初期費用を、費目ごとに積み上げて試算します。 下のボードは一例で、この例では家賃 8万円・共益費 5,000円に対して、契約時の現金は 49.3万円、家賃の 6.2か月分です。 引っ越しと家具・家電まで含めると 80.3万円になります。 費目や月数は、お手元の見積書に合わせて置き換えて使えます。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の列は、見積書から拾う数字です。上の6枚には「家賃の何か月分か」を、下の2枚には金額を入れます。 中央の列は、それを上から順に加えていった合計です。 右の列には、家賃と共益費、その2つを合わせた月額を置いています。家賃を変えると、敷金・礼金・前家賃なども連動して変わります。

この例(家賃 8万円・共益費 5,000円)では、契約時に必要な現金が 49.3万円で、家賃の 6.2か月分です。 引っ越しと家具・家電まで含めると 80.3万円で、家賃のおよそ10か月分になります。 平均額ではなく、よく見積書に載る費目をひととおり入れた一例です。 目安としては、契約時で家賃の4〜6か月分、引っ越しまで含めると10か月分ほどになることも珍しくないと言われます。

ただし、この 49.3万円が全部、出ていったきりになるわけではありません。 敷金(この例では 8万円)は預け金で、退去のときに、未払いの家賃や借主が負担する原状回復費を差し引いた残りが返ってきます。 敷金を除くと、戻らない見込みの額は 41.3万円です。

このボードの考え方

賃貸の初期費用は、大半が家賃の倍数で決まります。 ただし、月数を掛ける元の金額は2通りあります。家賃だけに掛かるものと、共益費を含めた月額(この例では 8.5万円)に掛かるものです。 ボードでは、次の順に合計しています。

  1. 月額に掛かるもの — 前家賃(翌月分)1か月・入居月の日割り家賃 0.5か月・保証会社の保証料 0.5か月です。 合わせて2か月分で、8.5万円 × 2 = 17万円です。 日割り家賃は、契約開始日(賃料が発生する日)からその月の終わりまでの分で、この例では月の半ばに始まる想定にしています
  2. 家賃に掛かるもの — 敷金 1か月・礼金 1か月・仲介手数料 1.1か月(税込)です。 合わせて 3.1か月分で、8万円 × 3.1 = 24.8万円です。ここまでの合計(月数で決まるぶん)は 41.8万円になります
  3. 保険・鍵など — 火災保険(2年)2万円・鍵交換 2.2万円・消毒とサポート 3.3万円で 7.5万円です(内訳はボード3)。 「敷金礼金ゼロ」の物件でも、これらの費用はかかります。これを加えると、契約時の現金は 49.3万円です
  4. 引っ越し・家具など — 引っ越し 6万円・家具と家電 20万円・カーテンと照明 3万円・ネット回線工事 2万円で 31万円です(同じくボード3)。 契約とは別の支払いですが、同じ時期にかかります。これを加えると、総額は 80.3万円です

右下のカードは、契約時の現金を家賃で割ったものです。この例では 6.2か月分になります。

住み始めてからの月あたり

住み始めてからも、家賃と共益費のほかに、ときどきかかる費用があります。 2年ごとの更新料と、保証会社の年ごとの更新料です。ボード2では、これを月あたりにならしています。

ボード2

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

この例では、月額 85,000円に、更新料(2年ごとに家賃1か月分)を月割りした分を加えると 88,333円。 さらに保証会社の年更新 1万円を月割りした分を加えると、89,167円になります。 家賃 8万円の部屋でも、実質的な月あたりの負担はこのくらいになります。

更新料は地域によって慣習が違い、ない地域もあります。保証会社の更新も、年ごと・2年ごと・毎月など契約によって違います。 ボードの更新料や年更新の欄は、契約書の内容に合わせて変えられます。

この試算に追加できる費目

保険・鍵などと、引っ越し・家具などは、ボード3で内訳を合計しています。 この例では、保険・鍵などが 7.5万円、引っ越し・家具などが 31万円です。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

ほかの費目を追加するときは、「CalcAnyway で開く」から開いて、カードを1枚増やし、金額を入れます。 そのカードを「保険・鍵など」か「引っ越し・家具など」の式に加えると、合計に入ります。 その合計をボード1の同じ名前の欄に入れれば、契約時の現金と総額まで反映されます。

下の表は、この試算に追加できる費目の例です。網羅ではありません。 ご自身の状況に合わせて、必要な費目を追加できます。 金額は家賃8万円・共益費5,000円の場合の目安(2026年8月時点)です。 地域と物件で慣習が大きく違い、実際の条件は契約書と重要事項説明で確かめられます。

敷金・礼金以外の費目(家賃8万円の場合)
費目 目安 メモ
入居月の日割り家賃 0〜8.5万円 前家賃(翌月分)とは別にかかります。月初に契約が始まると1か月分近くになり、契約開始日が数日違うだけで初期費用が変わります。
保証会社の利用料 家賃の0.5〜1か月分 連帯保証人を立てられても、保証会社の利用が条件の物件が増えています。初回保証料は月額賃料等の30〜100%程度など契約により幅があり、年1万円前後の年更新・2年ごとの更新・毎月の保証料と、料金体系もさまざまです。基準になるのは家賃だけでなく、共益費などを含む「月額賃料等」のことがあります。
仲介手数料 家賃の0.55〜1.1か月分 居住用の賃貸では、借主が負担するのは原則として税込0.55か月分までです。 依頼のときに借主が承諾していれば、税込1.1か月分まで受け取れる決まりになっています。 ボードは承諾ありの1.1か月を初期値にしているので、0.55 に変えると、その前提での金額が出ます。 貸主・借主の合計が1.1か月分以内という上限も含めて、 国土交通省の告示で決まっています。
鍵交換費用 1.5〜3万円 見積書の終わりのほうに載っていることが多い項目です。次の入居者のための鍵交換は本来は貸主側の負担と整理されているもので、借主の負担が当然というわけではありません。借主負担の特約があるかどうかは、契約前に契約書で確かめられます。
室内消毒・抗菌施工 1〜2.5万円 初めから見積書に入っていることが多い項目です。物件の契約条件として必須なのか、任意のオプションなのかは物件によります。どちらなのかを尋ねるだけで外れることもあります。
24時間サポート 1.5〜2万円 これも、必須か任意かは物件によります。年ごとの更新がある契約もあります。
火災保険(家財保険・借家人賠償責任補償など) 1.5〜2.5万円/2年 契約とセットで案内されますが、条件を満たせば、自分で選んだ保険に替えられることがあります。2年ごとの更新で、またかかります。
共益費・管理費の前払い 5,000〜2万円 「家賃◯万円」の広告には含まれていません。そのぶん、毎月の負担も初期費用も増えます。
更新料 2年ごとに家賃1か月分 月割りにすると、毎月3,000〜4,000円ほどの固定費になります(ボード2)。更新の月にまとめて出ていく費用です。地域によって慣習が違い、ない地域もあります。
カーテン・照明 1.5〜6万円 照明器具が付いていない部屋は珍しくありません。カーテンは住み始めた日から必要なので、引っ越しの日までにそろえることになります。
ネット回線の工事 0〜4万円 建物に回線が来ていないと、工事まで1か月待つこともあります。その間のモバイル回線の費用もかかります。
旧居の不用品処分 5,000〜5万円 粗大ごみの回収は予約が必要で、家電リサイクル法の対象になる家電は別に料金がかかります。直前だと、選べる業者が限られることがあります。
解約予告期間ぶんの家賃 家賃1〜2か月分 多くの契約では、1〜2か月前の通知が必要です。通知が遅れると、旧居と新居の家賃が二重にかかります。
短期解約違約金 家賃1〜2か月分 敷礼ゼロやフリーレント付きの物件では、設定されていることがあります。転勤の可能性があるときは、契約前に契約書のこの欄で確かめられます。
原状回復費・クリーニング 3〜10万円 敷金から差し引かれます。通常の使用による傷み(通常損耗・経年変化)は原則として貸主の負担で、故意・過失や通常の使い方を超えた傷みが借主の負担、という整理になっています。定額のクリーニング費を借主の負担とする特約がある契約もありますが、書いてあれば何でも有効というわけではありません(範囲や金額の妥当性で判断されます)。入居時の傷を写真に残しておくと、退去のときの話し合いの材料になります。考え方は国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にまとまっています。

見積書のオプションは、任意のことがあります。 消毒・抗菌施工や24時間サポートは、必須かどうかを一つずつ尋ねるだけで外れることがあります。 必須と言われた場合は、その理由を尋ねることもできます。 「敷金礼金ゼロ」の物件が本当に安いかどうかも、保証料・消毒・退去時の定額クリーニングまで含めると比べられます。

条件を変えると、どう変わるか

ボード1で、次のように変えることができます。

  • 家賃を1万円上げる(80000 → 90000) — 契約時の現金は 49.3万円から 54.4万円へ、5.1万円増えます。 この例では、敷金・礼金・前家賃・日割り家賃・仲介手数料・保証料の月数を合計すると 5.1か月になるので、家賃の差の 5.1倍が最初にかかります。 引っ越しまで含めた総額は 85.4万円です
  • 敷金と礼金を 0 にする(敷礼ゼロ) — 契約時の現金は 33.3万円、家賃の 4.2か月分になります。 ただ、敷礼ゼロの物件では、消毒・サポート・保証料が見積書に含まれていたり、退去時の定額クリーニング費が決まっていたりすることがあります。 敷金がないので、退去のときに返ってくるお金もありません。比べるときは、保険・鍵などや退去時の費用まで含めた総額で並べると分かりやすくなります
  • 日割り家賃を 0.5 から 0.1 にする — 契約開始日(賃料が発生する日)を月末寄りにした場合です。 契約時の現金は 45.9万円になり、3.4万円下がります。 日割り家賃は、実際に引っ越した日ではなく契約開始日で決まります。前家賃は翌月分なので変わりません
  • 仲介手数料を 1.1 から 0.55 にする — 借主の承諾がない場合の上限です。 契約時の現金は 44.9万円、家賃の 5.6か月分になります

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