pH は、濃さそのものではない
水の中には水素イオンというものが溶けている。 これが多いほど酸性が強い。
ところがこの量は、書くとこうなる。 ふつうの水で 0.0000001 mol/L。0が6つ並ぶ。 レモン汁ならもっと多くて 0.01 くらいだ。
0の数を数えるほうが早い。それが pH だ。 0.0000001 は10のマイナス7乗なので、pH は 7。 マイナスがついているので、pH が小さいほど濃い。
活用例 · 学習 · 2026-09-10 更新
答えは10倍。2ちがえば100倍、3ちがえば1000倍だ。 pHは酸性の強さを1から14で点数づけした数ではない。 水素イオンの濃さが何桁かを書いた数で、 だから引き算がそのまま桁の差になる。
水の中には水素イオンというものが溶けている。 これが多いほど酸性が強い。
ところがこの量は、書くとこうなる。 ふつうの水で 0.0000001 mol/L。0が6つ並ぶ。 レモン汁ならもっと多くて 0.01 くらいだ。
0の数を数えるほうが早い。それが pH だ。 0.0000001 は10のマイナス7乗なので、pH は 7。 マイナスがついているので、pH が小さいほど濃い。
いまはうすいほうが7・濃いほうが4。 「桁のちがい」は3桁、「水素イオンは何倍」は1,000倍だ。
「桁のちがい」のカードの式を見てほしい。 ただの引き算しか書いていない。7 − 4 だけだ。
ここが pH の便利なところで、pH はもう桁の数になっている。 だから桁の差を知るのに、変換はいらない。 倍率に戻したいときだけ 10 の何乗かにする。
濃いほうを 6 にしてみてほしい。 差は1桁、10倍。これが「pHが1ちがうと10倍」の中身だ。
| うすいほう | 濃いほう | 桁のちがい | 水素イオンは何倍 |
|---|---|---|---|
| 7 | 7 | 0桁 | 1倍 |
| 7 | 6.5 | 0.5桁 | 3.162278倍 |
| 7 | 6 | 1桁 | 10倍 |
| 7 | 4 | 3桁 | 1,000倍 |
| 8 | 2 | 6桁 | 1,000,000倍 |
| 14 | 0 | 14桁 | 100,000,000,000,000倍 |
0.5桁のところに注目してほしい。3.162278倍、つまり10の平方根だ。 半分の桁は、半分の倍率ではない。 2回かけて10になる数が、半分の桁の正体である。
うすいほうを14、濃いほうを0にしてみてほしい。 14桁、100兆倍と出る。
pHの表がいつも0から14で描かれているので、 ものさしのように等間隔に見える。 実際には、端から端までで100兆倍ある。
目盛りが等間隔なのは桁のほうで、量のほうではない。
うすいほうを4、濃いほうを7と入れ替えてみてほしい。 桁のちがいは−3桁、倍率は0.001倍になる。
壊れたのではない。3桁ぶん少ない、と言っているだけだ。 1000分の1と読めばよい。
いちばん下のカードは、pHから濃さそのものに戻している。 10^(−7) を計算して、1e-7 mol/L と出る。
この e は「0がいくつか」を短く書く記号で、 1e-7 は 0.0000001 のことだ。 0が多すぎるときだけこの書き方に変わる。
うすいほうを4にしてみてほしい。 こんどは 0.0001 と、ふつうの書き方で出る。 同じ数の、書き方だけが違う。
| つまずき | なぜそうなるか | ボードで確かめるには |
|---|---|---|
| pHが3ちがうから3倍だと思う | pHは桁の数。3ちがえば3桁ちがう。 | 7と4で1,000倍。3倍にはならない。 |
| 数が大きいほど酸性が強いと思う | 濃さは10のマイナス乗。マイナスなので、小さいほど濃い。 | うすいほうの濃さが 1e-7、pH4にすると 0.0001。pH4のほうが大きい。 |
| 0〜14の目盛りを等間隔の量だと思う | 等間隔なのは桁。端から端で100兆倍ある。 | 14と0で14桁、100,000,000,000,000倍。 |
| 0.5ちがいは「5倍の半分」だと思う | 半分の桁は10の平方根。約3.16倍。 | 7と6.5で3.162278倍。 |
| 「1e-7」を見て壊れたと思う | 0が多いときの短い書き方。中身は 0.0000001。 | うすいほうを4にすると 0.0001 と普通に出る。 |
この計算が言っているのは水素イオンの濃さの比だけだ。
まず温度によって変わる。「中性は pH 7」は25℃のときの話で、 温度が上がると中性の pH は7より小さくなる。
そして酸の濃度と pH は別のものだ。 お酢を10倍に薄めても、pH は1しか上がらない、とはならない。 お酢のような弱い酸は、薄めると溶けていた分から新しく水素イオンが出てくるので、 pH の動きは10倍ぶんより小さくなる。 「10倍薄めれば pH が1上がる」がそのまま使えるのは、塩酸のような強い酸のときだけだ。
言えるのは「pH が3ちがえば、水素イオンの濃さは1000倍ちがう」まで。 そこから「だから3倍すっぱい」「だから3倍危ない」へは進めない。
次に読む — M7とM9で、なにが1000倍ちがう?。同じ桁の目盛りだが、あちらは log をかけて桁に直す側で、pH は最初から桁になっている側。
食塩水の濃度 — 「何で割るのか」から始める、濃さそのものの話。