活用例 · 2026-10-01 更新

可用性の計算 — ナインの数と、年・月・日の停止時間

可用性は、ある期間のうち、サービスなどが使える状態にある時間の割合です。 可用性から、その期間に止まってよい時間は (1 − 可用性) × 期間 で求められます。 1年を365日、1か月を30日とすると、可用性 99.9% で止まってよい時間は、1年で 525.6分(8.76時間)、 1か月で 43.2分、1日で 86.4秒です。 99.99% なら1年で 52.56分、99.999% なら 5.256分です。 9の数(ナイン)が1つ増えるごとに、止まってよい時間は10分の1になります。

ボード1

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左の「可用性」が入力で、はじめは 99.9% です。 中央の「停止してよい割合」は、100 から可用性を引いた値で、0.1% です。

右の4枚は、その割合に期間を掛けた、止まってよい時間です。 1年を分と時間で、1か月を分で、1日を秒で出しています。 左下の「ナインの数」は、あとの節で使います。 可用性を変えると、ほかのカードも連動して変わります。

止まってよい時間は (1 − 可用性) × 期間

可用性 99.9% は、期間のうち 99.9% は使える状態にある、という意味です。 残りの 0.1% が、止まってよい時間にあたります。 式にすると、次のようになります。

止まってよい時間 = (1 − 可用性) × 期間

この記事では、1年を365日、1か月を30日、1日を24時間として計算します。 うるう年や、28日・31日の月は考えません。 そのため、記事の数字は暦に近い値ではなく、この前提のもとで決まる値です。

1年は 365 × 24 × 60 = 525,600分で、その 0.1% は 525.6分です。 ボード1の「1年の停止」と同じ値で、「1年の停止(時間)」は 8.76時間です。 1か月は 30 × 24 × 60 = 43,200分で、その 0.1% は 43.2分です。 1日は 24 × 60 × 60 = 86,400秒で、その 0.1% は 86.4秒です。

ナインの数 — 9がいくつ並ぶか

99%・99.9%・99.99% のように9が並ぶ可用性は、9の数で呼ばれることがあります。 99.9% は9が3つなので「スリーナイン」、99.99% は「フォーナイン」です。

ボード1の「ナインの数」は、−log(1 − 可用性 ÷ 100) で出しています。 99.9% では、止まってよい割合が 0.1%、つまり 0.001 です。 これは、10分の1を3回掛けた数なので、ナインの数は 3 になります。

可用性を変えて、ボード1で確かめます。

可用性を変えたとき(ボード1で実測。1年は365日、1か月は30日)
可用性 ナインの数 1年の停止 1か月の停止 1日の停止
99%25,256分(3.65日)432分864秒
99.9%3525.6分(8.76時間)43.2分86.4秒
99.99%452.56分4.32分8.64秒
99.999%55.256分0.432分0.864秒

どの列も、ナインが1つ増えるごとに、値が10分の1になっています。 止まってよい割合が、10分の1になるからです。

9が並ばない値も、同じ式で計算できます。 可用性を 99.5 にすると、ナインの数は 2.30103 で、1年の停止は 2,628分です。 2ナインと3ナインの間にあたります。

ナインが1つ増えると、桁の数直線で1目盛り

ボード2は、4つの可用性について、1年に止まってよい時間を、桁の数直線に並べたものです。 左の「期間」は日数で、はじめは 365 です。 中央の4枚は、期間 × 1440(1日の分)× (1 − 可用性) の計算で、右の数直線がその4つの値を並べます。

ボード2

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5,256分・525.6分・52.56分・5.256分が、同じ間隔で並びます。 桁の数直線は、1目盛りで10倍になる目盛りです。 そのため、10分の1ずつ減っていく値は、等しい間隔になります。

期間を 30 にすると、4つの値は 432分・43.2分・4.32分・0.432分になります。 点どうしの間隔は変わらず、目盛りの範囲が 0.1 から 1,000 になります。

99.9%と99.99%は0.09ポイントしか違わないのに、停止してよい時間はどれくらい違う?

ボード1で可用性を 99.9 にすると、止まってよい時間は、1年で 525.6分(8.76時間)、1か月で 43.2分、1日で 86.4秒です。

99.99 にすると、可用性は 0.09 ポイント上がります。 パーセントどうしの差を、ポイントといいます。 止まってよい時間は、1年で 52.56分(0.876時間)、1か月で 4.32分、1日で 8.64秒です。 どれも、99.9% のときの10分の1です。 10分の1は、90% 減ったことにあたります。 増減率の求め方は、増減率の計算で扱っています。

差が小さく見えるのは、どちらの数も 100 に近いからです。 止まってよい時間を決めるのは、100% から見た残りの割合で、0.1% と 0.01% です。 0.1% を 0.01% にすると、残りが10分の1になります。

ほかのナインでも同じです。 99% から 99.9% は 0.9 ポイント、99.99% から 99.999% は 0.009 ポイントの差ですが、止まってよい時間は、どちらも10分の1になります。 可用性の差は10分の1ずつ小さくなり、止まってよい時間の比は、毎回10分の1のままです。

部品をつなぐと — 直列と並列

ここまでは、ひとまとまりの可用性を考えました。 複数の部品でできているときは、つなぎ方で、全体の可用性が変わります。 ボード3は、部品の可用性から、全体の可用性と1年の停止を出す2つの組み合わせです。

ボード3

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この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

左は直列、右は並列です。 上の2枚が入力で、部品の可用性と、つなぐ数です。 その下に、全体の可用性と、1年に止まってよい時間が出ます。

直列は、部品が1列につながっていて、どれか1つが止まると全体が止まる形です。 全体の可用性は、部品の可用性を掛け合わせた値になります。 部品が 99.9%、個数が 3 のとき、99.9% × 99.9% × 99.9% = 99.7003% で、約 99.7% です。 1年に止まってよい時間は 1,575.22分(約26.25時間)で、部品が1つのときの 525.6分の約3倍です。 止まってよい 0.1% が、3つ分重なるからです。

並列は、同じ仕事を、どの部品でもできる形です。 全体が止まるのは、すべての部品が同時に止まったときだけです。 部品が 99%、台数が 2 のとき、止まっている割合は 1% × 1% = 0.01% です。 全体の可用性は、1 − (1 − 0.99)2 = 99.99% で、1年に止まってよい時間は 52.56分です。

直列 全体 = 部品個数  並列 全体 = 1 − (1 − 部品)台数

個数と台数を変えたときです。 直列の部品は 99.9%、並列の部品は 99% のままです。

つなぐ数を変えたとき(ボード3で実測。直列の部品 99.9%、並列の部品 99%)
つなぐ数 直列の全体 直列の1年の停止 並列の全体 並列の1年の停止
199.9%525.6分99%5,256分
299.8001%1,050.67分99.99%52.56分
399.7003%1,575.22分99.9999%0.5256分

直列は、数を増やすほど、止まってよい時間がほぼ同じ量ずつ増えます。 並列は、1台増やすごとに、止まってよい時間が100分の1になります。 部品が 99% なら、2台で 99.99%、3台で 99.9999% です。

並列の計算は、次のことを前提にしています。 部品が止まるのは、ほかの部品とは関係なく起きること(独立)。 どの1台でも、仕事を全部こなせること。 切り替えに時間がかからず、切り替えそのものが失敗しないこと。 同じ電源や同じ設定を共有しているときは、独立とは言えず、全体の可用性は 99.99% より低くなります。

この計算で分かること、分からないこと

可用性を、どの期間で測るか、何を停止として数えるかは、契約やサービスごとに決められます。 この記事の計算は、そうした取り決めを話し合うときの出発点で、保証ではありません。

ボードが出すのは、期間の中で止まってよい時間の合計です。 1回の停止の長さや、停止の回数は決まりません。 1年に 525.6分は、1回で止まっても、細かく何度かに分かれても、合計では同じです。

1年の365日と1か月の30日は、数字を決めるための前提です。 実際の暦では、1か月は28日から31日で、うるう年は366日になります。

次に読む — 太陽系の距離と縮尺 — ふつうの目盛りと対数目盛りで比べる けたがいくつもちがう距離を、ふつうの目盛りと対数目盛りで並べて比べています。


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