活用例 · 学習 · 2026-10-21 更新

偏差値の計算 — 平均点と標準偏差から求める

偏差値は、テストの点数が平均点からどれだけ離れているかを、点数のばらつきの大きさ(標準偏差)を物差しにして表した数です。 自分の点数だけでは計算できません。そのテストの平均点と標準偏差が要ります。 この例では、平均点 62.5点、標準偏差 12点のテストで 80点をとると、偏差値は 64.6 です。

ボード1では、点数・平均点・標準偏差の3つを変えると、右の3枚(平均点との差、標準偏差の何倍か、偏差値)が順に変わります。

ボード1

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

ボード1の左の3枚は入力カードで、右の3枚は計算カードです。 右の3枚は、偏差値の式を3段に分けたものです。 平均点と標準偏差は、本来はそのテストの受験者全員の点数から出す値ですが、ボード1では数字を直接入れる形にしています。 30人の点数から出す形は、ボード2にあります。

式は、平均点との差を標準偏差で割って、10倍して50を足す

偏差値の式は、偏差値 = 50 + 10 × (点数 − 平均点) ÷ 標準偏差 です。 ボード1の右の3枚は、この式を上から順に計算しています。

  • 平均点との差: 80 − 62.5 = 17.5点です。
  • 標準偏差の何倍か: 17.5 ÷ 12 = 約 1.46 です。点どうしの割り算なので、この値に単位はありません。
  • 偏差値: 1.46 × 10 + 50 = 約 64.6 です。

2段目の値は、カードでは小数2桁で表示しています。3段目の偏差値は、丸める前の値から計算しています。 手で 1.46 × 10 + 50 を計算すると 64.6 で、カードと同じになりますが、2段目の桁を増やすと 64.58… と続きます。

偏差値 50 は平均点、10 の差は標準偏差 1つぶん

点数を平均点と同じ 62.5 にすると、平均点との差は 0.0点、標準偏差の何倍かは 0.00 で、偏差値は 50.0 になります。 偏差値 50 は「平均点と同じ」という意味です。

点数を 74.5 にすると、平均点との差は 12.0点で、標準偏差 12点のちょうど 1.00倍です。偏差値は 60.0 になります。 平均点より標準偏差 1つぶん高い点数が偏差値 60、2つぶんなら 70 です。 平均点より低い側も同じで、標準偏差 1つぶん低い点数は偏差値 40 です。

平均点が同じでも、ばらつきが違うと同じ点数の偏差値は変わる

点数を 80 に戻して、標準偏差を 6 にすると、標準偏差の何倍かは 2.92 になり、偏差値は 79.2 に上がります。 みんなの点数が平均点の近くに集まっているテストでは、平均点より 17.5点高いことがめずらしいので、偏差値が高くなります。

標準偏差を 24 にすると、0.73倍で、偏差値は 57.3 に下がります。 点数が広く散らばっているテストでは、17.5点の差はそれほど目立たないからです。 同じ 80点、同じ平均点でも、偏差値は 57.3 から 79.2 まで変わります。

下の表の各行は、それぞれボードの初期値から、挙げた値だけを変えた結果です。

点数・平均点・標準偏差を変えたときの偏差値(ボード1で実測)
変えた値 平均点との差 標準偏差の何倍か 偏差値
(初期値)17.51.4664.6
標準偏差 12 → 617.52.9279.2
標準偏差 12 → 2417.50.7357.3
平均点 62.5 → 7010.00.8358.3
点数 80 → 45-17.5-1.4635.4
点数 80 → 10037.53.1381.3
点数 80 → 100、標準偏差 12 → 637.56.25112.5

平均点を 70 にすると、80点は平均点より 10.0点高いだけになり、偏差値は 58.3 です。 点数を 45 にすると、平均点との差は −17.5点で、偏差値は 35.4 です。 平均点より 17.5点高い 80点が 64.6 なので、50 をはさんで同じ距離にあります。

偏差値には、上限も下限もありません。 点数を 100、標準偏差を 6 にすると、標準偏差の 6.25倍で、偏差値は 112.5 になります。 ばらつきの小さいテストで飛び抜けた点をとると、偏差値は 100 を超えます。

ボード2

CalcAnyway で開く ↗

この画面でも数字を変更できます。ただしここでの変更は保存されません。 変更した状態を残したいときは、「CalcAnyway で開く」から開いて編集してください。

30人の点数から、全員の偏差値をまとめて出す

ボード2は、30人の点数の例です。数字は説明のために作ったもので、実際のテストの値ではありません。 左のリストカードに30人の点数が入っていて、いちばん下に平均点の 63.7 が出ています。 その右の「標準偏差(途中式)」は、同じ30人の点数から標準偏差を求める途中の計算を並べたカードです。 人数 30、合計 1,911、偏差平方和 4,660.3 を経て、分散は 155.34、標準偏差は 12.46 です。

その右の「偏差値」は、ボード1と同じ式の計算カードです。 平均点と標準偏差は、数字を打つのではなく、リストと途中式のカードから受け取っています。 点数 80 の偏差値は、この30人のテストでは 63.1 です。 ボード1のテスト(平均点 62.5、標準偏差 12)では 64.6 だったので、同じ 80点でもテストによって 1.5 ほど違います。

この「偏差値」のカードは、⋯ メニューの「関数にする」で、点数を引数にとる関数にしてあります。 いちばん右の「全員の偏差値」は、その関数を呼び出すカードです。 点数の口に、リストの「点数」の列をつないであるので、30人ぶんを一度に計算します。 結果は、すぐ下の「偏差値の一覧」に、名前ごとに並びます。

一覧では、青木(45点)が 35.0、小林(88点)が 69.5 です。 いちばん低い佐藤(39点)は 30.2、いちばん高い吉田(86点)は 67.9 で、30人の偏差値は 30.2 から 67.9 の範囲に収まっています。 一覧の下には、30人の偏差値の平均が 50.0 と出ています。 偏差値 60 以上は、久保・小林・中村・西田・吉田の 5人です。 その下の「偏差値の分布」は、偏差値を区切りごとに分けて人数を数えたグラフ(ヒストグラム)です。

リストの点数を書きかえると、平均点と標準偏差、「偏差値」のカード、一覧の30行、分布のグラフが連動して変わります。 表計算ソフトの点数の列を、リストカードに貼り付けることもできます。

偏差値の平均は、いつも 50 になる

ボード2で、青木の 45 を 95 にすると、平均点は 63.7 から約 65.4 に上がり、標準偏差は 12.46 から 13.17 に広がります。 青木の偏差値は 35.0 から 72.5 になります。 点数を変えていない久保(80点)の偏差値も、63.1 から 61.1 に下がります。平均点が上がったぶん、平均点との差が縮んだからです。 「偏差値」のカードの 80点も、同じ 61.1 になります。

それでも、一覧の下の平均は 50.0 のまま変わりません。 全員の「平均点との差」を足すと、プラスとマイナスが打ち消し合って 0 になります。 偏差値は、その差を同じ数で割って 10倍し、50 を足した値なので、全員の平均は必ず 50 です。 だれか1人の点数が上がると、ほかの人の偏差値は少しずつ下がり、合計は変わりません。

偏差値は、そのテストの受験者の中での位置を表す数です。 別のテスト、別の受験者の集まりで出した偏差値どうしは、受験者の顔ぶれが違うので、同じ物差しでは比べられません。

この計算で分かること、分からないこと

ボード2の標準偏差は、偏差平方和を人数 n で割る計算(母集団の標準偏差)です。 青木の点数を 45 に戻し、途中式カードの「n−1(標本)」を選ぶと、偏差平方和を 29 で割るので、標準偏差は 12.68 になり、80点の偏差値は 62.9 になります。 どちらで割るかで、偏差値は 0.2 ほど違います。模試や入試の偏差値は、受験者全員の点数から出すので、人数 n で割る計算が一般的です。

点数の分布が正規分布に近いときは、偏差値 60 以上の人は全体の約 16%、偏差値 70 以上は約 2%、という目安が使えます。 ボード2の30人では、偏差値 60 以上が 5人で、全体の約 17%にあたります。 ただし、点数がかたよって分布しているテストでは、この目安は当てはまりません。 偏差値から順位や割合を読むときは、分布のグラフの形も見ておくと確かめになります。

次に読む — 平均値と中央値 — 違いと求め方 同じ点数の並びから平均値と中央値を出し、1人の点数を大きく変えたときにどちらが動くかを確かめます。


学習の活用例をもっと見る →